さて、彼女が動くのは明日ってところね。下準備は榊と彼等に頼んでるから大丈夫だとして……あれ、私やることないじゃん。うーん、ちょっと早いけど部活に行くしかないか。 まだ誰もいないテニスコートの整備をしていると鳳がやってきた。彼は私の姿を確認すると慌てて近付いてくる。 「せ、先輩!?」 「鳳くんこんにちは。早いんだね」 「こんにちは!よかったら長太郎って呼んで…っじゃなくて、何してるんですか!」 「ん、長太郎くんね。早く来ちゃったからコート整備してるだけだよ?」 「だけって…何コートあるかわかってます!?」 なぜか鳳に怒られた。彼は「ちょっと待っててください!」と言って更衣室に駆けていったと思ったらすぐに戻ってきた。 「あとは俺がやるんで、先輩は休んでてください!」 「ありがと。でも長太郎くんだけじゃ大変だし手伝うよ」 「す、すいません!じゃあお願いします」 顔を赤くして照れたように笑う鳳。ちょろいもんね。 「そういえば今日は亮と一緒じゃないの?」 「あ、宍戸さんは何か用事があるみたいで。部活には間に合うって言ってましたけど」 「そうなんだ。よし、これで終わり!助かったよ長太郎くん」 「い、いえ、そんな…」 その後着替えてくると言う鳳と別れ、私はドリンクを作っておくことにした。それも終わった頃には部員たちが集まりきっていた。 |