氷帝に転校してきて二週間が過ぎた。テニス部との仲は良くなり、昼食も一緒に食べている(前一緒に食べていた子たちは残念そうにしていたけど納得してくれた)。今も屋上で輪になって昼食をとっているところだ。

「それおいしそうですね、もらえませんか?」
「私が作ってるから保証はできないけどよかったらどうぞ」
「ありがとうございます」
「クソクソ!日吉ばっかずりーぞっ」
「俺だってなまえの食べたいCー!」

ぎゃあぎゃあと日吉に絡む向日と芥川を宥めながらちらりと神崎を見る。……素敵なお顔ですこと。嫉妬で醜く歪んだ顔は鬼の形相というのがぴったりだった。鏡で見せてあげたい。

「岳人、ジロー騒がないで。明日何か作ってきてあげるから」
「マジかよ!」
「やったーっなまえ大好き!」
「そいつらだけなんてことはないだろな?」
「せや、二人だけなんてずるいで」
「俺にもくれよ!」
「できれば俺もほしいです」
「俺もお願いします」
「俺も俺もー」
「…ウス」
「結局みんな!?…わかったよ、簡単なものでいい?」

そう問えば全員頷いた。なんかめんどくさいことになったなあ…。でもまあ、これはこれでいいかもしれない。そろそろ我慢の限界なんじゃないの、愛奈ちゃん?





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