九時から始まった練習は滞りなく行われた。赤也が全敗して喚いていたけど。それの矛先はジャッカルに向いていた、不憫。氷帝は一波乱あったみたいだ。なんでも向日が日吉に負けたらしい。自業自得だね。しっかり練習しない奴が悪い。榊にスコアボードを渡す。

「ふむ、立海は予想通りだな。ただ丸井と桑原の勝ち数が同じなのが問題だ」
「それならブン太がジャッカルにじゃんけん勝ってました」

私の言葉に榊は「そうか」と頷き、彼によって立海メンバーが五つに分けられる。それを見届けて着替えるため部屋に戻ろうとその場を後にした。グループは昼食のときに発表するらしい。

部屋に戻ってくつろいでいるとノックの音が響く。ドアを開けたそこにいたのは神崎だった。いつものいやらしい笑みではなく不快感を露わにした顔。

「大石くんに何吹き込んだのよ」
「特に何も。強いて言うなら真実を伝えただけ」

そう言えば神崎はキッと私を睨むと、平手打ちをくれた。頬がじんじんと痛む。無表情で神崎を見つめればむかつく、と言葉を漏らした。

「なんなの!手塚くんもリョーマくんも素っ気ないし!」
「そんなこと私に言われても困るんだけど」

ため息を吐けばもう一度頬を叩かれた。さっきより強く。神崎はドアを乱暴に閉め、部屋を出て行った。





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