目を開けて最初に視界に入ったのは自室ではない真っ白な天井。少し混乱したもののすぐに跡部に殴られたのを思い出した。あのまま気絶したのか。視線を横にずらして見れば……青学の大石秀一郎?なんで彼が?

「あ、気がついたみたいだね。大丈夫?」
「えっと、はい。大丈夫です」
「なんで敬語?同い年でしょ」
「あ…うん」

倒れていた私を見つけて医務室まで運んでくれたのか。…大石は神崎から何も吹き込まれていないんだろうか?怪しんでいるのがわかったようで彼は困ったように笑った。

「桃が迷惑かけてごめんね。根はいいやつなんだけど自分が信じたことは疑わないっていうか…」
「……大石くんは、どう思ってるの?愛奈ちゃんのこと…」
「俺は…自分の目で見てないし、こういうデリケートな問題で片方の意見だけ鵜呑みにするのはどうかなって思ってるんだ。それに手塚も神崎さんのこと信用してないみたいだし…」
「そうなんだ…」
「よかったらみょうじさんの話聞かせてくれないかな?…あ、いやだったらいいから!」
「ううん。聞いて、ほしい」

大石の目を見つめ、これまでの経緯を伝える。きっかけ、暴行、嫌がらせ、昨日の昼には越前といたこと、気絶したのは跡部に殴られたからだということ。もちろん氷帝の三人、立海が仲間であるということは隠して。彼は眉間に皺をよせたり、驚いたり、悲しそうな顔をしたりしながら聞いていた。神崎、あんたの思い通りにはならないから。





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