残り七本になったペットボトルを運んでいると樺地を連れた跡部に道を塞がれた。目の動きで本数を数えているのがわかる。終わったのか眉間に皺が寄った。まあ氷帝の人数分ないからね。 「おい、なんで七本しかねぇんだ」 「前に私が用意したのは飲みたくないっていったのは誰?」 「合宿でそんなのが通用すると思ってんのか」 「愛奈ちゃんに作ってもらえばいいでしょ」 「気安く愛奈の名前呼ぶんじゃねぇよ。あいつは朝に弱ぇんだから作れるわけないだろうが!」 思わず「知るか、そんなの」と声に出しかけた。朝が弱いのになぜ合宿に来たんだ。なにもする気がないんだろう。私がため息を吐いたことによって跡部の口元がピクリと動いた。 「…そういえばお前また愛奈に手ぇ出したんだってな」 「私はやってない」 「はっ。聞き飽きたんだよ、その言葉。つくならもう少しマシな嘘つきやがれ」 「楽しい?」 「あ?」 「どうせプリンセスを守るナイト気分で俺かっこいいとか思ってるんでしょ」 「…てめぇ、俺様を馬鹿にすんのもいい加減にしやがれ!!」 頭に電流が流れた様な衝撃。視界が真っ白に染まる。樺地の慌てた声が聞こえたことによって跡部に殴られたのが把握できた。そして私の思考はそこで、 |