ぴぴぴぴ ぴぴぴぴ ぴぴ、
耳障りな目覚ましを止める。時刻は五時過ぎ。一通り用意を済ませ部屋を出る。選手も動き出しているようでバタバタと走り回る音が響く。さて今日を入れて合宿は六日間。最終日、神崎を絶望に突き落とせば仕事は終了。あと少しの、我慢。私はドリンクを作るため外の施設へ足を向けた。






立海の分と余分に十本ほど用意した。そういえば神崎の姿が見えない。施設はここだけではないから気にする必要もないか。そんなことを考えていたら目の前に仁王、ブン太、赤也の三人が。そういえば立海には二人分足さなきゃならないんだった。

「飲みもん、貰えるかの」
「はい。これ立海の分だから持ってってくれるかな?」
「おう、まかせろぃ」
「あー!!なまえ先輩、久しぶっ!?」

大声で叫んだ赤也の口をブン太が慌てて塞いだが、赤也はなにすんすかー!と暴れている。

「静かにしんしゃい。誰かに見つかったらどうするんじゃ」
「あ…」

仁王の言葉にようやく状況を把握したのか彼は大人しくなった。ないはずの耳と尻尾が垂れているのが見える気がする。うな垂れる赤也に自然と笑みが零れた。しかしそれも一瞬。仁王の言う通り気を緩めることは許されない。ドリンクを抱えた三人が去って行くのを見送ったあと、ため息を吐いた。





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