「初めまして、みょうじなまえです。よろしくお願いします」 さあ、物語の始まりだ 「みょうじさんは海外からの帰国子女です。わからないことは教えてあげてくださいね。席は宍戸くんの隣よ」 先生の言葉頷き、軽く手を挙げてくれてる少年の隣の空席に腰を降ろす。よろしく、と言えば彼も軽く笑って返してくれた。 SHRが終わりると生徒が一斉に私の周りに集まってきた。止むことのない質問の嵐に一つ一つ答えていく。 「なまえって呼んでもEー?」 特徴的な話し方をする金髪の彼。写真と同じ顔、確か芥川慈郎だったはず。 「うん、好きに呼んでくれていいよ。えっと…」 「あ、俺芥川慈郎だCー!」 「よろしくね芥川く、」 「ジローって呼んでほしいC!!」 「わかった、ジローね?」 「うんっ」 ビンゴ。無邪気に笑う彼はどっちかな?まあ私には関係ないけど。みんなちゃんと働いてね?期待してるから。私は誰にも気付かれぬよう一人ほくそ笑んだ。 |