今日は顔合わせだけらしい。休んでもよし自主練してもよし、自由時間というわけ。それはいいとして……どうなってるの。作戦と違う、こんなこと聞いてない。

時計は十二時を示していた。食事や洗濯は使用人がやってくれる。……マネージャーいる意味ないんじゃないの?まあ仕事は少ない方が楽だしいいんだけど。壁に立掛けてある自分のテニスラケットが目に入った。久しぶりに打つかな、確か壁打ち出来るところがあったはず。私はそれを持って部屋を出た。






「ここか」

テニスコートから少し離れたところにある壁打ち用のエリア。人の気配はない。ポケットの中からボールを取り出した。

「よっ、と!」

小気味いい音が辺りに響く。ラケットがボールを打つ音、壁がボールを弾く音、単調なそれが好きだ。しばらく無心で打ち続けた。持っていた時計を見れば十五時過ぎ、……昼食食べ損ねた。はあ、と溜め息を吐き振り返る。

「いつまでそこにいるの。隠れてないで出てきたら?」

物陰に声をかければゆっくりと出てきた。青いジャージに白い帽子、今回の合宿で唯一一年の越前リョーマ。

「バレてたんだ」
「何か用?」
「試合、しようよ」

彼は持っていたラケットの先を私に向け、口角を上げた。ただ単にテニスがしたいんだろう。私は二つ返事で承諾した。





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