合宿所となる榊が所有する別荘までバスで移動。私は一番前の座席で榊の隣に座っている。

「あ!あれじゃねぇか!?」

向日が声をあげ、窓の外を指差した。海の近くにあるその別荘は白を基調とした建物で、バックの青がよく映えている。近付くにつれ、部員たちの目の輝きは増していった。いろいろな相手と試合出来るのが嬉しいのだろう。やはり全員純粋にテニスが好きなんだ。

合宿所に着き、荷物を下ろす。氷帝主催ということもあり、私たちが出迎えなければならない。各々配られていたプリントを頼りに指定された部屋に向かう。部員は三人もしくは四人部屋であるが、私と神崎は個別だ。少しして部屋に取り付けられているスピーカーから榊の声が流れる。

『青学と立海のバスが来た。全員駐車場へ』

ニ階である自分の部屋の窓から駐車場を見れば、青のジャージとオレンジのジャージがバスから降りているところだった。そこに跡部たちが近付く、早く行かないと煩そうだね。部屋を出て早足で外に向かった。






「遅い」
「…すいません」
「まあまあ跡部、そんなに怒るなよ。初めまして、立海テニス部部長の幸村精市です。名前教えてくれるかな、氷帝はあと君だけなんだ」

どうやら私が来る前に氷帝は自己紹介を終えていたらしい。

「マネージャーのみょうじなまえです」
「よろしくねみょうじさん」

幸村はにっこり微笑んだ。その後立海メンバーが自己紹介し、青学もそれに続いた。平部員選抜は氷帝からは山中聡の一名のみ。青学から広瀬孝之と望月雅人、立海は福山恭輔、佐藤光哉の二人ずつ。…こんなの聞いてないんだけど。





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