ガシャン。目の前の鉄の扉は閉められ、鍵がかけられた。………しまった、油断した。

手紙で呼び出された倉庫(跳び箱やマットがあるから体育倉庫だろう。使われてないのか埃を被ってるけど)で相手を待っていたら扉を閉められた。まあつまり、閉じ込められたわけね。溜め息が溢れる。学園の隅にあるここに人が来ることはまずない。ポケットを探ると固いものが手に触れた。そうだ、携帯があったんだ。少しの期待を持って取り出してみたが、無情にも画面に表示されていたのは圏外の文字。これでは侑士たちと連絡をとることができない。もう一度溜め息を吐く。彼等が異変に気付いたとしても私を見つけられる可能性は無いに等しいだろう。

なんとかして脱出出来ないかと考えるが何も思い付かない。無意味に倉庫の中を動き回ったせいで疲れがたまった。携帯で時間を確認すれば十六時の表示、昼休みからだいぶ時間が経っている。今晩はここで過ごすことになるのだろうか、そんなことを考えて憂鬱になっていたとき、がちゃんと鍵が開く音がした。驚いてゆっくりと隙間を広げる扉を見つめる。

「…!」
「………」

そこには以外と思える人物が立っていた。





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