「なまえっ!」
「静かに」
「す、すまん……」

私が呼び出したのは侑士。傷の手当てをしてもらうためだ。亮や若でもよかったけどいつも救急セットを持ってるのは侑士だけだからね。

「…派手にやられたな」
「まあね」
「なまえちゃんの美脚がー」
「気持ち悪い」

そんなやりとりをしながらも侑士はテキパキと手を動かす。傷はほとんど見えなくなった代わりに私の腕や足は包帯で真っ白に。

「ん?なんやこれ」

侑士が私の近くに置かれていた絆創膏を見つけた。説明すれば二、三度頷きその絆創膏をまだ残っていた私の傷に貼る。なんとなく意図がわかって笑いかけたら、侑士も笑ってくれた。

「ほな俺は戻るわ」
「ん。部活には行くよ」
「無理せんときや」
「わかってるって!」

何度も聞いたその台詞に苦笑しながら帰って行く侑士に手を振った。さて、部活まであと一時間。暇になったため一眠りすることにした。目を瞑り、息を吸えばバラの香りが肺を満たす。日も暖かく私はすぐに眠りについた。





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