「どういうつもりや!!」 侑士の怒鳴り声に気付いたレギュラーたちが部室に集まってきた。全員部室を見て呆然としている。 「な、なんだよこれ……」 「部室がめちゃくちゃじゃないですか!」 「みんなごめん……っ私がもう少し早く…!」 神崎は跡部から離れ、レギュラーたちに頭を下げた。それを見た亮と若は理解したようで一瞬こちらを見たあと、その目に怒りを宿した。もちろん矛先は私ではなく、神崎愛奈。 「……おい」 「……なに、景吾くん」 跡部の呼び掛けに応答すれば、彼は一度深呼吸してから言葉を紡いだ。それは全く私の予想通りの内容だった。 「お前には部活を辞めてもらう」 「……私はやってない。それに、私をテニス部に入部させたのは榊先生。きっと彼は簡単に納得しない」 「何がやってないだよ!この状況で言い訳してんじゃねぇ!!」 「落ち着け向日。……監督だって理由を話せば理解する。絶対に退部させるからな」 「…じゃあ、報告待ってるね。私は先に上がるから」 倒れていた体を起こし、部室を去る。芥川の横を通った時、彼に小さな声で名前を呼ばれたけど無視した。 |