「もういい!クロロなんか知らない!!」

「……なまえ、」



クロロと喧嘩した。理由は、些細なことだったと思う。
いや、違う。
今では大きなことだ。前まで、些細だった事だけど。

仕事仕事、と言って会う時間がほとんど無かった。
始めは全然大丈夫だった。
会えるだけで幸せだったし、それでよかった。


でもね、やっぱりずっと続くとダメみたい。
人は欲深くなっちゃうものだって誰かが言ってた気がする。

私も、そうなっちゃったんだ。



「やだ、もう、ヤダよ」

「………」



会うだけじゃ、嫌になった。
少しの時間じゃ、駄目になった。

我儘だって解ってるし、
クロロも忙しいって事解ってる。
解ってるけど、駄目なんだ。

もう、辛いんだ。




「なまえ…悪かった」

「やめて、謝ってほしい訳じゃない…」

「…なまえ、」


泣きだした私をクロロは壊れ物を扱うみたいに抱き寄せた。
やめて、気持ち、揺らいじゃう…




「ごめん、もう、やめよう」

「…………なまえ」



離れたのは私。その場を去ったのも私。
クロロを嫌いになった訳じゃないし、
クロロも私を嫌いになった訳じゃない。

でも、やっぱり駄目だったんだ。
後から流れてくる涙をぬぐって後ろを振り返った。



「なまえ!!」


その瞬間、遠くにいた筈のクロロに抱きしめられた。
涙が、流れる。




口から零れたのは、
私からの謝罪の言葉。



―――
シノ様に捧げます!…切甘ですか?これ←
すみませんorz


















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