祝い方[社会人/恋人/誕生日]

相変わらずだった。

今日は景吾の誕生日で、久しぶりに訪れた跡部邸には、沢山のトラックが家の前に居た。
彼の家にくるのは、社会人になってからは初めてで、相変わらずの人気ぶりに空いた口が塞がらない。
最近は、外で会うことが多く、家に行くことはなかった。それこそ、大学時代以来である。
とりあえず、インターフォンを鳴らして中に入ろうと思ったが、どうも入る気になれなかった。

プルルル…

鞄に入っていた携帯が鳴っていて、画面を見ると「跡部景吾」の文字が表示されている。
「えっ」
とりあえず、通話ボタンを押す。
「…もしもし…」
『冥子、何玄関で突っ立てんるんだ。』
「いや、あのさ、どうもねー…トラックがいっぱいいて、さ。」
『あーん?俺様の誕生日だからな。』
「そうなんだけどもね。なんかさ、さすがーって。」
『今年は特に盛大だからな。』
「オメデトウゴザイマス…。」
『はっ。早く入りな。今、伝えてやるから。』
電話が切れ、景吾に言われた通り玄関に向かったら、使用人の人が、あっさりと通してくれた。
今日の誕生日は、景吾が直々に家に呼んできくれたのだ。
『誕生日を俺の家で祝うから来い。』と『夜は帰れないと思え。』だと。

相変わらず強引だこと。
そんなことも大好き。
さて、どのタイミングで言ってやろうか。
心のこもった、



おめでとう。


2014/10/04



[ 16/17 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -