※変態静雄、臨也女体
『とりあえず飲んでみなよ、きっと面白い事になるから』
そう言った奴の言葉を、何故あん時の俺は飲み込んでしまったのだろう。
「っははは!これは驚きだねえ!」
俺の目の前に居る、臨也が声を上げて笑う。
その臨也の声は、いつもよりもいくばかか高い。
「これは凄いや、新羅の言った通り面白い!」
「俺は面白くねえ…」
俺が呟くと、臨也はきょとんとした顔で俺に首を傾げた。
…いつもと違う香りがする。
臨也の長い髪が揺れる。
「凄いね、これ。俺本当に女になってるよ」
くすくす、と臨也は笑う。
「シズちゃんはシズちゃんでちょっと幼くなってるし」
ゆっくりと臨也はこちらに近づき、座っている俺の足に手をかけた。
「新羅もこんな変な薬作れちゃうんだねえ…
女体化の薬と若返りの薬なんて、さ」
…そう、俺らは今、数時間前の新羅の口車にのせられた。
難しい事は割愛。
とりあえず結果的には臨也は女の体になり、俺は…1…6、7歳?程の体となった。
いつもより少し小さい自分の体に違和感を覚えるとともに、何処か柔らかい印象の臨也の体にも違和感を覚えた。
「これどうすんだ、おい」
「どうするって言われてもねえ…」
苛立ち交じりに問い掛けるが、臨也は苦笑交じりに言葉を濁す。
「てか、俺は今までの生活に多分支障はねえけどよ、臨也はやべえんじゃねぇのか?」
「あー…確かにね。仕事をするのにはこの体は不便かも」
「困ったなあ」と言う割には何処にも焦っている様子は伺えない臨也に、俺は少しずつ、確実にキレ始めていた。
「手前…自分の事よく分かってねえだろ…」
「は?俺の事?」
訝しげに俺を見つめてくる瞳は元の涼やかさを残しつつも、女特有の甘ったるさを放つ。
睫毛もなんかなげえし…。
「シズちゃん?」
俺の名前を呼ぶ、唇はほんのりと桃色がかかり、淡く己の存在を主張している。
…やべ、キスしたくなりそうだ、見つめるのは止しておこう。
そして白い首筋や、鎖骨。
どこもかしこも、きめが細かくすべすべしていそうで触れたくなる。
「…シズちゃんってば」
何よりも今の臨也には…
胸が、ある。
主張し過ぎないそれでいて小さ過ぎない、まさにベストな大きさ。
形も悪くない。
まあ何ていうか、簡単に言えば…揉みたくなるような胸。
あー…ムラムラしてきたぞ畜生。
「?」
じーっと奴の胸を凝視する。
すると、臨也はしばらくきょとんとしていたがややして、
「ふーん?」
とニヤニヤし始めた。
そして不意に、コートを脱いだ。
下には少しピッタリとしたVネックシャツ。
「シズちゃん、俺の胸見てるんだー?…変態さん」
妖しく奴が笑ったかと思うと、臨也は両膝を床につき、両手も床につく。
いわゆる猫とかそんな感じのポーズだ。
「…っんな…!?」
そうだ、こんなポーズをしたら必然的に谷間が出来る。
そう、胸が強調されるのだ。
「どーうシズちゃん?俺の胸見てムラムラするの?」
臨也は至極楽しげに体を小さく揺する。
振動とともに少し胸が揺れる。
その動きから目を離せない。
「っ…いざ、」
「わーシズちゃん変態、俺の胸見てるー」
駄目だ、見てはいけない。
こんな状況なのに臨也に欲情する、なんて。
「ね、シズちゃん」
臨也が俺の首に腕を回す。臨也の胸は俺の目の前に来る。
「いざ、や…くんな、離れろ!」
「やーだー少年シズちゃんムラムラしてるのもっと見たいー」
臨也が俺を抱き寄せる。
密着状態。
……待て待て待て待て待て。これは何てエロゲだ。
「多分精神年齢も丁度思春期くらいになったんじゃない?きゃーシズちゃんに襲われちゃーう」
「んの…ノミ蟲!」
「やだひどーい、臨也泣いちゃう」
っくそ、やりにくい…!
顔に押し付けられた柔らかなそれに、俺の何かが固くなりそうなのを必死に抑える。
が、その努力は次の臨也の言葉によってすぐに水の泡となる。
「俺を好きにしたいなら、してもいいよ?」
「シズちゃん」と耳元でソプラノの声で囁かれ、俺の理性が切れる音がした。
てんぷてーしょん!
(思春期狼な俺と)
(狼を誘惑する魔女)
(…質悪ぃな、おい…)
『たまには女になってシズちゃんを誘惑するのも楽しいね』とふわりと笑った臨也に俺は殺意を削がれた。
…後日、体が戻り新羅を殴りに行ったのは言うまでもない。
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辰様からのフリリクでした!!
『新羅の怪しい薬でシズちゃんが未成年になって臨也が大人の女体化、臨也が誘い受け』というリクエスト内容でした!
あああ内容に沿えてないかも知れません、すみませんでした!
リクエスト有り難うございました!´`*