※ただのバカップル





「シズちゃ〜ん」


ぼふ、と臨也が俺に飛び込んでくる。


「…んだよ」

「あのね、あのねー」


ぴ、と臨也が俺を指さし笑った。
何処か、いつもより幼い笑顔で笑っていた。


「だいっっっきらい」

「……っ……!!!?」


いつもより可愛さ増しの笑顔で俺に臨也はそう言った。
嗚呼、確かに臨也は言った。
「大嫌い」と。


「あれ…聞こえてない?」

「………………………」

「だいっっっきらい!」


耳元で叫ばれ、耳が痛む。
だがそんな痛みは気にならなかった。
それよりも、臨也が言った言葉が俺の頭から離れなかった。


「お……まえ…」

「あ、やっと喋った」


震える重たい唇でなんとか言葉をつむぐ。


「きらい、て…」

「うん、シズちゃんが大嫌い」


にっぱーと擬音でもつきそうな笑顔を向けられる。
嗚呼くそ、可愛い。……じゃねえや。


「いつから、俺の事嫌い…なんだ」

「そんなの覚えてないよ、いつの間にか、す…じゃないや嫌いになってたの!
覚えておいてねシズちゃん、俺今日くらいしか素直にしないからね?
それじゃ、俺仕事もあるからここで」


そうまくし立て臨也は歩き出した。
今日くらいしか素直にならない?
ということは今までのキスとかは嘘だったのか!?


「おいっ臨ッ……!?」


急に不安が増え、臨也を追いかけようと振り返ったら視界一杯に臨也の顔が。
唇にやわい感触。
すぐに唇から臨也の唇が離れた。


「…ハローエイプリルデイ」


にこりと臨也は笑って、走り出した。


「…エイプリル…?」


未だ混乱する頭を必死に働かせる。
エイプリル…?4月、だよな、確か。
今日は何日だ…?


「……嗚呼そうだ、一日だ」

「…エイプリルフールか!」





ハロー、エイプリル!



(「大好き、シズちゃん」)
(奴はそう言ってたのか)
(何だそれ、…萌える)








何この堕文。
今日はエイプリルフールだったけれど特に何も嘘付けなかったです(笑)











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