「つーがるー!」

「サイケ…」


…誰かこの状況を俺に説明してくれ…。
………………ああくそ誰も居ない訳?
じゃあ俺が説明するけど。

とりあえず俺の前のソファーに津軽が座ってる。
それから津軽の膝の上にサイケが津軽と向かい合うようにして座ってる。
それからそれから、サイケは津軽の首に腕回して抱き着いてる。
またまた更に、それから、津軽はサイケに何回も色々な場所にキスを落とす。

…総括すると、俺の目の前でイチャイチャラブラブしてるということ。


「津軽、だいすき!」

「ああ、俺も大好きだ」

「もう何このバカップル、まじ爆発しろ」

「いざ君、しず君は?」

サイケが俺に純粋な瞳でそう問い掛けてきた。
…憎みたくてもサイケのこの純粋さで苛々とかこころの刺がとれる、気がする、うん。


「シズちゃんは今仕事中だから、邪魔しないようにしないとね」


俺とシズちゃんは恋人である。
だから今一緒に住んでるんだけど、今日は朝からシズちゃんは仕事で家を空けている。
それでまあ、家で大抵の仕事を済ませられる俺が今日は、サイケと津軽の世話を見るということなんだけど。


「ふーん、お仕事なんだぁ…」

「サイケ、寂しいか?」

「ううん、津軽が居るから平気だよ!」

「…サイケ…!」


何なんだこのバカップル。
見てるこっちが恥ずかしくなってくる。
津軽がサイケにキスすればその度にサイケは顔を赤らめてはにかんだり。
サイケが笑えば津軽が頬を染めたり。


「君達さ、イチャイチャする場所、わきまえなよ?」

「え?何で」


サイケは心の底から不思議そうな顔で聞いてきた。嗚呼くそ純粋天使め。


「だってほら、人前でキスするとか恥ずかしくない?」


…俺だってシズちゃんとのキス見られたら恥ずかしいし。
するとサイケと津軽は笑顔でこう言った。




場所なんて、そんな、


「俺らには関係ないよねっ」

「嗚呼、サイケとらぶらぶ出来ればどうでもいい」

「俺も俺も!」


………。
俺は携帯を開き、とある番号にコールした。


「……あ、もしもし?シズちゃん?」
「いや…あのさ、」
「早く会いたくなっちゃった、いつ帰ってこれる?」
「……へ、今すぐにでも?」



(結局は皆バカップル!)







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