「ったくよぉ、臨也の野郎今日も可愛かった」

「意味がわからん」

「可愛過ぎてムカつく」


嗚呼もう何とでも言っておけ。
俺はお前と臨也の事をとやかく口出さない事にしたんだ。


「…んでよ、門田」


静雄が俺を見つめ問いてきた。
眉間にシワがよっているので睨まれているのかもしれない。


「何だ」

「…何で門田は臨也に懐かれてんだ?」


…またそれか。
毎日毎日、臨也に懐かれている俺は
事あるごとに静雄に恨まれる。
それもこれも全部、俺にくっついてくる臨也が悪いと思うのだが。


「静雄も臨也に懐かれるよう努力すりゃ良いだろう?」

「そうもいかねぇよ!あいつは俺の事嫌ってるみたいだしよ、俺は素直に接する事出来ねえから、駄目だ」


静雄は臆病者である。
臨也が好きで好きで堪らないくせに、いまいち行動に移せない。


「そりゃ俺だって苦労してきた。毎日笑顔の練習と臨也との妄想とか」

「妄想ってなんだ」


それに



苦労してるのはお前だけじゃないんだ


(臆病なお前の相談とか)
(気ままな黒猫の相手とか)
(挟まれる身にもなってみろ)







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