▼11/06/04 没




俺は暴力が嫌いだ。
そして…折原臨也。アイツも嫌いだ。
それが俺の口癖だった。
…そう、嫌いだったんだ。


「シズちゃんってさ、理屈も道理も通じないから…苦手だよ」

「るせぇ殺す今すぐ殺す此処で殺す」

「そんなに殺すって言ってたら怖くなくなるよ」


いつも俺の揚げ足をとって俺を馬鹿にしたように笑うアイツが気に食わなかった。
黙らせたかった。
殺せば黙るだろうと思った。


「静雄、臨也が…臨也が死んだって」


ある日に新羅から電話が掛かってきた。
電話の内容は今の通りだ。
『臨也が死んだ』
それを聞いた時の俺の気持ちは…そうだな、『喜び』だった。
あの煩い臨也が死んだ。
もうあの煩いよく分からない言葉を聞かなくて済む。
ただひたすらその事実を喜んでいた。
そして臨也が死んでから俺はしばらく素晴らしい日々を過ごした。
俺に突っ掛かってくるアイツは当たり前だがもうどこにもいなくて。
アイツの臭いもすっかり消えた池袋。
でもそんな素晴らしい日々はすぐに終わりを告げた。

アイツが死んでから、数ヶ月後。
いつもの様に俺は仕事をしていた時だった。
次の仕事場へと移動している最中に携帯に着信が入った。


「お静雄、携帯なってるぞ」

「…あ、そうっすね、トムさんすいませんちょっと出てきます」


トムさんにそう告げ、俺はその場から少し離れた場所で携帯を取り出し、ディスプレイを見た。


「……は…?」


ディスプレイに表示された名前を見て俺は呆然とする。
『折原臨也』
数ヶ月前に死んだ、アイツの名前だった。
驚きで俺は苛立つ事を忘れた。
思わず受話ボタンを押し耳に携帯を押し当てる。
悪質な悪戯か何か。
悪戯をしているのだとしたら…命知らずだな、と呑気に頭の何処かで考えながら。







…途中から方向を見失って挫折。
どうしようスランプ酷いかもしれない。







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