27 気付けばお泊まり会 日差しがまぶしくて目を覚ました。 目を開けると、目の前一杯に広がる名前の顔。 …名前の顔? 静「うおぁっ!!?」 びっくりして飛び起きる。 『ぅぅ…寒ー…』 飛び起きた事によって布団も一緒に名前から引き剥がしてしまう。 『ぅー…』 もぞもぞと名前が起き上がる。 なんで俺は名前と一緒に寝てたんだ?昨日の記憶を辿ってくと… ノミ蟲と殺り合って、名前会って、手当してもらってご飯ももらってアイスも貰って… その後から全く記憶ねえ。 俺名前になんかしちまったのかっ!? …よし、大丈夫だ。服着てる。変な事はしてない、はず。 『昨日静雄さんアイス食べてる途中で寝ちゃったんですよ』 にへら、と笑って名前は言った。 静「そう…だったのか。すまねぇ」 『んーん!私ね。碌に友達もいなくて、だから誰かが私の家に泊まりに来たことなんて無くて。だから、ちょこっと嬉しかったんです』 静「…」 なんと返して良いのか言葉が見つからず、口からは何も出てこない。 『今何……あ!!!もう11時ですよ!!学校!!!』 名前の向いた方につられて顔を向けると、確かに11時を指す時計。 静「あー…こんな時間だったのか」 名前が隣でどうしようどうしようと呟いてる。かと思えばいきなり顔を上げてふわりと笑った。 『今日は学校休んじゃいます』 静「えっ」 『だってもう、行っても…』 苦笑する名前。 確かにその通りだ。テストは昨日終了した。 今日からはテスト返却で、午前中には学校自体終わってしまう。今更行った所でどうしようもない。 静「ほんと、迷惑掛けてばっかだな。悪いな」 学校まで休ませてしまった。 『いいんですよ。静雄さんと一緒なら』 驚いて名前を見ると、さっきの苦笑ではなく俺の好きなふわりと優しく暖かいような微笑み。 こいつはたまにこういう事を恥ずかしげもなく言ってくるから、心臓に悪い。 今だって心臓が一定のリズムを刻まず、脈打つ。 恥ずかしくて、だけどどうしようもなく嬉しくて俺は照れ隠しに名前の頭をわしゃわしゃと掻き回した。 『あわわっ』 静「ありがとな。本当に、さんきゅ」 静「今日これからどうすんだ?」 『うーん、決まってないです。どうしましょ』 静「なら、どっか行くか」 そう言えば名前はパァッと輝くような笑顔で頷き肯定した。 昨日そのまま寝ちまったからシャワーも浴びてない状況だったから昼過ぎの1時に集合する事にした。 自分の家で、何処に行こうか頭からシャワーを浴びながら考えていた。 [しおり/戻る] |