※臨静←幽






「……シズちゃん、これ何」
「臨也!?手前、何でここに……!」

深夜、仕事も空いたしシズちゃんの家に夜這いにでも行こっかな、きゃはっ★とか考えていたのに。家の扉を開けて俺の目の前に広がったのは、シズちゃんが弟君……平和島幽くん、だっけ。
その子をシズちゃんが抱き締めてたんだよね。しかも物凄く柔かな笑顔で。
……何これ、浮気?シズちゃん明らかに焦ってるし。苛々が募って不機嫌に顔を顰めていたら、弟くんが爽やかに見える笑顔でこちらを見つめてきた。
なんかさ、ムカつく。

「あっそ、あっそ。別にいいけど、俺はシズちゃんが浮気してても別に何も気にしてないし。っていうか親近相姦?あは、シズちゃんってそういうの興味あったんだ、純情ぶった顔してさぁ」

両手を広げて笑って言ってみせると、シズちゃんの顔が怒りなのか悲しさなのか、多分前者だろうな。へにゃりと歪んだ。
シズちゃんの方はまぁ置いといて、問題なのは弟くんの方。
俺のシズちゃんにガッシリ抱きついちゃってさ。それ、俺のだって。シズちゃんが腕離してるのにまだ離れてないなんて。
……また苛々してきた。

「違う…俺は、幽が寂しいし、心が苦しいって言うから、こうしたら治ると思」
「兄貴は俺のこと心配してくれたんだよね」
「あ、ああ…」

弟くんがシズちゃんに微笑んで、シズちゃんはそれを見て少し安堵して頷いて。
握りしめた拳がギリギリと音をたてた。あー指輪が食い込んで痛いな、とか思っているのもどっかいっちゃって、とりあえず目の前の光景を今すぐに抹消したい。
まだ抱き付いてる弟くんとシズちゃんの方に歩みを進めて、シズちゃんの肩を痛いほどに掴む。
まぁシズちゃんからしたら痛くないんだろうけどね。

「シーズーちゃん?」
「いざっ……」

肩を掴んだことによってこちらに振り向いたシズちゃんの顔に、思いっきり、それこそ音がするぐらいに唇を重ねる。
ふにふにと柔らかい唇を食んでから、舌を挿しこんで口付けを深くしていくと、シズちゃんの手が俺のコートを掴んでいる。
……うん、満足。
横目で弟くんを見遣ると、目を丸くしてこちらを見ていた。それから少し睨むような目つきに変わる。
目許と口許を歪ませて弟くんの方を見ると、その腕はもう離れていた。

「っは、ぁ……」
「ってことで、シズちゃんは俺のだからね。わかったかな?」

笑顔で力の抜けたシズちゃんを抱きしめながら言うと、シズちゃんに頭を思いっきり殴られた。
本当、痛いんだから、ちょっとは加減してよ。そう文句を言おうとしたけど、シズちゃんの耳まで真っ赤に染まった顔を見て言う気も失せた。
やっぱりシズちゃんには俺でないとね。






あれ、幽が空気と化してるorz

とにかく、5000hitリクエストの「臨静←誰か」でした!!
時雨様、こんな感じでよかったですかね?
何だか不完全燃焼って感じで、しかもシズちゃんをとりあってませんね、すみません!!
もう本当反省してます(´;ω;)
こんなサイトでよければまたきてください^^

リクエストありがとうございました!!
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