※11月11日を記念して




11月11日。
ついにこの日が来た。
この日をどれだけ待ち望んでいたことだろう。

「シーズちゃん、今日は何の日でしょうか?」
「何の日って………ポッキーの日?」

俺の家でソファに座ってプリンを食べているシズちゃんに問いかけてみる。
っていうか、シズちゃん家に来たらいっつもプリン食べてるような気がするんだけど気のせいかな。
答えを聞いてみると、何とシズちゃんがポッキーの日を知ってた!
どうしてだろう、と考えを過らせると、そういえばシズちゃんは甘いものに目がないんだった。
だからポッキーの日も知ってるんだね、流石シズちゃん、性の知識は皆無に等しいくせに。

「で、何だよ」

いつもは変なくらいに勘が鋭いのに、今日は俺のしようとしてることにシズちゃんは全く気付いていない。
まぁシズちゃんは王様ゲームとか知らないだろうからね。
俺は後ろ手に隠していたポッキーをシズちゃんの前に晒して、顔を近づけた。

「ポッキーゲーム、しよ」

俺が満面の笑みで話してるのに、小首傾げてきょとんとしてるシズちゃんが可愛くて今にも押し倒しそう。
我慢我慢。頑張れ、俺の理性。
わからなさそうにしてるシズちゃんのために、説明をすることにした。

「ポッキーゲームっていうのは、うーん例としてあげるけど、男女がポッキーの両端をかじっていって、最終的に唇が重なるっていうゲーム」

簡単でしょ?と笑顔で言ってみせると、シズちゃんの顔がみるみるうちに赤くなっていく。
数秒後に、馬鹿か、と真っ赤になった顔で言われた。
それで赤くなってるって言うと腕で顔を隠しちゃったり、でも耳まで赤いから全然意味ないってことわかってないってことも含めて可愛い。
腕を退けてサングラスも外して、硝子越しじゃないシズちゃんの瞳と視線を合わせる。

「しよっか?」
「そ、そんな恥ずかしいこと、できるわけな、」
「静雄?」
「………っ」

否定する前に甘い声で名前を呼ぶと、シズちゃんは視線を外しながらゆっくり頷いた。
名前を呼ぶのはシズちゃんにとって絶大な効果があるんだよね。俺限定だけど。



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