「じゃぁ、もっ・・・俺にっ、さわんな、よっ!」

と、突然シズちゃんが俺の腕の中で抵抗し出して、涙を流しながら首をブンブン振っている。
まぁ、俺に触っちゃ駄目ってさっき言ったから、俺を突き飛ばすようなことはしないんだけど。

「俺はシズちゃんに触ってもいい。けどシズちゃんが触ったら、俺にうつっちゃうじゃん、化け物が」

適当に理不尽な御託を並べて、シズちゃんの頭を撫でる。
シズちゃんはそんな理不尽な言い訳なのに真に受けたらしく、抵抗するのをやめた。
シズちゃんが大人しくなってから、シズちゃんの紅い唇に自分のそれを重ねた。
それを深くしていくと、シズちゃんの身体が小刻みに震えているのがわかった。

「む、んふ・・・」

結構な時間、キスをしていたと思う。
シズちゃんの息も苦しそうになったかな、と思ったところで唇を離した。
そしたら案の定、シズちゃんは肩を上下させてはふはふ息をしてる。
目を涙目にさせて、頬を真っ赤に染めて、俺を焦点の合わない瞳で見つめるシズちゃは本当可愛い。
だからつい虐めたくなっちゃうんだろうね。

「シズちゃん、キス下手くそ」
「・・・っ」
「呼吸も上手くできてないし、舌も絡ませるの下手だし」

そうやって冷たく言い放つと、シズちゃんがどんどん顔を歪ませていく。
ご、ごめ、と小さく謝っているのが聞こえて、征服感が満たされていった。



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