※媚薬





「あ、なんで、あつい…！」
「シズちゃんが勝手に欲情してるんじゃない？俺に」

まぁそんなことありえないんだけど。
てきとうにそんなことを言うと、シズちゃんは顔を真っ赤にさせて恥ずかしそうに俯いた。
今にも泣きそうな顔をして。

「お、おれそんなに、臨也に……っ、そんなことねぇ！」

今一瞬認めかけたよね、という言葉を口から出す前に喉に引っ込めておく。
シズちゃんが俺を突き飛ばしそうになったから、ギリギリのところで腕を掴んで避ける。
その腕を掴んだまま顔を近づけていくと、シズちゃんの目が丸く見開かれた。
そのまま耳元まで唇を近づけて、ねっとりと耳裏を舐め上げる。

「ふ、やぁ！」

シズちゃんはいつもより大きく高い声を上げている。
ギリギリ、と拳を強く握り締める音が皮張りのソファから聞こえた。
俺が掴んでいる腕からも。
だから、シズちゃんの両手の拳を俺の手で包み込むようにして、指を開かせて、俺の指を絡ませた。
所謂恋人繋ぎ。

「あ、いざ、や」
「そんなに力まないで。力抜いて」

耳元で囁くように言うと、シズちゃんの身体がふにゃりと緩むのがわかった。
それから熱に蕩けたシズちゃんの唇に自分のそれを重ねて、それを深くする。
元から薄く開いていた唇に舌を挿し込むのは容易で、口内を暴れ回っているとシズちゃんのくぐもった声が聞こえた。
薄く瞳を開けて見てみると、何かに耐えるようにぎゅっと瞳を閉じていた。
呼吸ができていなかったから唇を離すと、シズちゃんが空気を一気に吸い込んだ。

「はぁ、ぁ、ふぅ」

焦点の定まっていない目で、熱に澱んだ目で俺のことを縋るように見つめてくるシズちゃんは、もうエロいこと。
でもこれは悪戯だから俺の理性が切れたら終わりなんだよね、頑張れ俺。
ふと気付くと、俺が馬乗りをしていたシズちゃんの腰が揺れていた。

「ふぁ、いざやぁ」
「あー駄目だ俺、耐えろ俺。今日はシズちゃんに悪戯するんだから」

そう意気込んで、名残惜しく思いながら右手を離すと、シズちゃんが泣きそうな顔をした。
その顔を見て何故か欲情してしまったのはおいといて、左手は繋いだまま、右手だけでスラックスをベルトと一緒に取っ払った。
俺って超器用。
下着越しにシズちゃんのを揉むと、シズちゃんが断続的に声を上げた。
さっきより高い音程で。

「いっ、ざやぁ！んぁ、あ、へん、なるぅ！」
「うん、変になっちゃいなよ」

射精を促すように、シズちゃんのイイところをピンポイントで狙って扱く。
そうすると、シズちゃんは呆気なく達した。
胸を上下させてはふはふ言ってるとこ悪いんだけど、そろそろ悪戯させてもらわなきゃね。
シズちゃんの膝から下りて、白濁でぬるついたシズちゃんの下着を勢いよく脱がすと、シズちゃんが慌てたように視線を彷徨わせた。

「シーズちゃん。これからが悪戯だよ？」
「へ？う、わっ！」

左手も離して、シズちゃんの細い太腿を掴んで大きく足を開かせた。
ちゃんと孔が見えるような体勢で座らせると、ポケットに入っていた赤いゴムを俺の手首にはめておく。
そして、シズちゃんの自身をパクリと口に含んだ。

「っや！」

先端を舐めて、裏筋を辿って、傲慢な動作で舐め上げていく。
シズちゃんがまたギリギリと拳を握りしめる音が聞こえた。

「うっ、やだ、いざや、もっ…！」
「ん」
「え、あ、なんでぇ…？」

シズちゃんがイきそうなタイミングで唇を離すと、シズちゃんが物欲しそうな顔でこちらを見ていた。
期待と涙を含んだ目で。
そんな目で見られても今日は揺るがないって決めたからね。
そのままシズちゃんの自身の根元をゴムで縛ると、シズちゃんが信じられないものを見るような目つきで目を見開いた。

「そんなっ、いやだぁ！」
「だーめ、シズちゃんお菓子くれなかったんだから仕方ないでしょ？」

未だに嘆いてるシズちゃんには悪いと思うけど、俺もちゃんと目標があるからね。
俺はシズちゃんが持ってきたレジ袋に手を伸ばすと、その中から棒付きの飴を何個か取り出した。



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