※絶賛えろのターン中です
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それから唇を奪われている間、俺の両手は頭上で纏められ、臨也の右手が太腿を撫でた。
少し頭が蕩けていた俺の脳は、臨也の右手によって一気に現実に引き戻された。
「いざ、っん」
キスとキスの間で言葉を発するものの、臨也はそれを聞きいれようともしない。
そのうえ、その右手をどんどん進めてきて、視界がくらくらしてきた。
………あ、そういえば。
「だ、だめだっ」
「ん、何が?」
俺が制止をかけると、臨也は甘い声で返してきた。
俺が制止をかけたわけは、これ以上手を進められたら困るから。
「み、右手…」
「それがどうしたの?シズちゃんがやめてって言ってもやめてあげないからね、俺は」
「ち、ちがっ…とにかくだめだっ」
スカートの中だけは本当にやめてほしい。
何回も何回も首を振って嫌だと伝えても、臨也は一向に手を退けることをせず、進めてきた。
体を捩って逃れようとしても臨也は口許を歪ませるだけだ。
駄目だ、本当にこれだけは駄目だ!
「いや、だめだ、いやだいやだっ!」
「だーかーらー、そんなこと言っても退かないって俺は言ったで……」
……あ。
「……………、っ」
「……シズちゃん、触った感じこの下着完全に女も」
「あああああああああ!言うな!言うんじゃねぇ!」
今なら恥ずかしくて死ねそうだ。
俺が今履いている下着は、男物のトランクスとかボクサーパンツとかじゃなくて、女物の下着。
変態とかそういう類じゃなくて、クラスの女子が女の子の服着るんだったらちゃんと徹底しないとね、とか言って下着を笑顔で渡してきて。
その女子たちの笑顔が異常に怖くて、普通なら怒鳴ってるところだが何故か頷いてしまった。
ああもう、あの時の俺、何で頷いた!
今思えば後悔の言葉以外何もない。
現に臨也の動きはピタリと止まって、目を丸くさせている。
羞恥心で頭がいっぱいになって泣きそうになった。
「お、おれが自分から履いたんじゃ、ねぇよ……クラスの、じょし、が…」
「ああもう、何でこんなに可愛いの!」
「え?いざ、やぁっ!?」
唐突に抱き締められたかと思うと、その行動と同時に俺の履いていた女物の下着が臨也の右手によって剥ぎ取られた。
臨也は俺が履いていた下着を俺の眼前でチラつかせる。
「ふーん、ピンクに黒のレースね。いい趣味してるんじゃないかな、君のクラスの女子」
最悪だ。
本当に羞恥心が爆発して泣いてしまいそうだった。
恥ずかしさのせいで臨也の方を見ないで俯いていると、臨也が喉の奥でクツクツと笑う声が聞こえた。
ムカつくわ恥ずかしいわで俺の感情のキャパシティはとっくに容量オーバーしていた。
「も、いざや、やめ」
「メイド服って脱がしにくいんだよねー…。えーい、もういいやっ」
何だか変に可愛らしい声が聞こえたかと思えば、声の主は全然可愛らしくないことを言って。
その憎たらしいほどの笑みでナイフを……?
な、ナイフ!?
「な、何すんだよ!そんなんで刺しても俺は死なな…」
「刺すんじゃないよ。この状況でナイフ取り出してすることと言えば、裂くんだ、よっ!」
臨也は俺の鎖骨辺りから胸にかけて紐で結ばれていた部分を、ナイフで切り裂いた。
そして俺の両手を解放して、自分の両手で俺の襟を掴み、左右に割り開いた。
ビリビリと布が破れていく音が聞こえる。
……ちょっと待てよ、俺帰れねぇじゃねぇか!
「臨也!お、おれ、こんなんでどうやって帰ればいいんだよ!」
「ん?あぁ大丈夫。シズちゃんの新しい女装衣装は頼まれて持ってきてるし、それにこれから真っ白に汚れるんだから」
「真っ白…?」
臨也が何を意味して言っているのかはわからなかったが、替えがあると聞いて安心した。
でも今着てる衣装がたとえコスプレ用の衣装だとしても、勿体ないと切実に思った。
その瞬間、首筋に多大な違和感を感じた。
「ひ、っ!」
ぬるり、と生温かい感触。
臨也が俺の首筋に顔を埋めていて、明らかに俺の首筋を舐めている。
その頭を離そうと臨也の頭に手を伸ばすと、また臨也の左手に両手とも掴まれ、そのまま再び頭上で纏められてしまった。
抵抗しようと思えば今はできるのだが、首筋から感じる感触のせいで力が上手く入らない。
そしてたまに噛みつくような、吸いつくような刺激があるから、その度に引き攣った声が上がってしまう。
「ひっ、う、あ」
臨也に舐められているところから、触れられているところからじわりと熱が広がっていくようで戸惑った。
それから鎖骨の方にも小さな刺激は広がって、段々と下に下りてくる。
「シズちゃん、こっちに気付いてる?」
「…っぇ?あ、あぁ!」
急に臨也が何か言ってまた緩く口許が弧を描くから不覚にも少し見惚れてしまう。
そうしていると、また唐突に信じられないところから沸々と熱が広がってくる。
臨也が、俺のを触っている。
俺でさえトイレとか風呂とかそういう時にしか触ったことのない場所を、臨也が。
しかもそこを上下に擦られると上擦った女みたいな声が上がって、じわじわと下腹部と腰を熱が浸食していく。
「そ、そん、なっ、いざやっ、あ、ぁあ!」
「あれ、もしかして自慰したことなかったりする?」
「はっ、ぁ、それ、なっ、に、んっ!」
もう臨也が言ってる言葉も聞きとれるのは少しだけで。
あとの意識は全部、このわけのわからない熱に注がれていた。
こんなの初めてでどう対処していいかわからないし、何よりも臨也にされているということ自体わけがわからない。
これは嫌がらせ?俺にこんなに恥をかかせて自分は優越感に浸って見てるだけ?
そう思うと、嫌がらせに素直に応えている自分が嫌で、せめて必死に声だけでも我慢しようと下唇を噛んだ。
「あ、声我慢しちゃ駄目でしょ」
「ん、ふぅ、ぁ…んぐっ!」
臨也の右手のスピードが早くなるにつれて声が出そうになるのを必死に我慢して。
下唇から血が出ても気にならなかった。
やっぱりさっきまでの甘い言葉は嘘だったんだ、と自分の中で自己完結させた。
それから段々と何か出そうになる感覚がして、その何かを何故か早く放出したくて。
そこでふと、臨也の右手が止まった。
まるで見計らったかのように。
「っ!?…ぁ、いざやぁ…!」
「そんな顔しても駄目なんだからね。ちゃんと声出さなきゃ、唇だって切れてるでしょ?」
「だ、だって、いざやはいやがらせで」
「…はぁ?」
まだそんなこと言ってるの、と溜め息を吐かれた。
でも俺の脳には臨也の言葉は入ってこなくて、溜め息を吐かれたという事実が心に酷く突き刺さった。
また下唇を噛んで込み上げてくる涙を我慢していると、臨也に唇に触れるだけのキスをされた。
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