「シズちゃん、好きだよ」

目を真っ直ぐに見て言ったら、シズちゃんの目が丸く見開かれた。
それからすぐに、頬が熱したように真っ赤になる。
肩を掴まれてるからか、身動き一つできないシズちゃんは少し俯いた。
そんなのしたって顔が赤いのは隠せないんだから。

「おれ、も・・・」

その後に、すき、と。
何この俺得状況。
シズちゃんから好きって言われるなんて。
まさにこれこそシズデレだよ、夢にまで見たシズデレ!
なんて一人で舞い上がってると、シズちゃんがどこかもどかしそうに俺を見ていた。

「シズちゃん?」
「・・・からだ、あらわねぇのかよ」

まだ呂律の回らない口で紡がれた言葉。
ああ、甘えてるんだと理解したのはその数秒後。
シズちゃんの額にキスを一つ落として、俺はスポンジと手でシズちゃんの身体に触れた。




「・・・まさか逆上せるとはね」

風呂場で告白し合った後、やっぱりそういう雰囲気になればやることは一つで。
結局あの場で1回、浴槽で2回、計3ラウンド。
シズちゃんは3回目で丁度絶頂を迎えて気絶してしまった。
あの時は本当に焦った。
あのデカい図体してるシズちゃんが、風呂場で逆上せて気絶しちゃうんだから。
運ぶのは大変だったよ、体重軽いからその分楽だったけど。

「無理、させちゃったかな・・・」

今はベッドまで運んできて、ちゃんと服も着せてから扇風機にあてている。
風でゆらゆらと揺らぐシズちゃんの髪を撫でる。

でも、あのシズちゃんは本当に予想外だった。
いつもは好きだなんて天地がひっくり返っても言わないシズちゃんが、酒に酔って告白するなんて。
それにあんな甘えたがりになるなんて。
これからはシズちゃんにお酒を飲ませよう。
あ、でも他の人の前では完全に酔っぱらわないように気をつけさせないと。

俺はシズちゃんの安らかな寝顔を見ながら一人で心に誓った。

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