「で、シズちゃん酔ってるの?」
酔ってる人にこう聞くのもどうかと思ったけど、一応聞いてみた。
ちなみに今シズちゃんと俺が座っているのは、ごく普通のソファの上。
いつもはできない態勢をしてみたくて、シズちゃんを膝の上に乗せてみたら抱きついてくるんだから!
「よって、ねぇ・・・」
「こんな真っ赤な顔して何言ってんの」
シズちゃんの両頬を、俺の冷えた両手で包みこむ。
シズちゃんの頬は予想通り、とても熱くて溶けてしまいそう。
俺の手が冷たくて気持ちいいのか、シズちゃんは目を瞑って穏やかな顔をしていた。
あー、キスしたい。
「ねーシズちゃん。ちゅーしたい」
「んー・・・?」
俺の言う事に対して一々小首傾げるのは反則だと思う。
するとシズちゃんは目を瞑って・・・待ってるのかな?
その愛らしい唇に、自分のそれを重ねた。
シズちゃんの後頭部を抱き寄せて、そのまま舌を捻じ込む。
「ん、っふ」
熱い、とにかく熱い。
酔ったシズちゃんの口内は思った以上に熱くて。
歯茎をなぞったり、上顎をなぞったり、舌の裏を舐めたりしてたら、シズちゃんの息が短くなってきた。
あ、呼吸法、知らないんだっけ。
でももっとキスしていたくて続けていたら、シズちゃんが弱い力で押し返してきた。
「・・・っ、ざや」
苦しそうに俺の名前を呼ぶもんだから、唇を離した。
途端に目に飛び込むのは、シズちゃんが顔を真っ赤にさせてはふはふ息をしてる姿。
あー駄目だ、落ち着け俺。
シズちゃんはお酒飲んで酔ってるんだから、明日二日酔いとかキツくて体が辛いんだ。
だから俺がこんなところで盛るわけには・・・。
頑張れ、理性。
「ん、あつい・・・」
そう言ってシズちゃんはおもむろに服を脱ぎ始めた。
え、ちょっと待って。
「し、シズちゃん?」
「ん、なに」
不機嫌な顔で言うもんだから驚いた。
こんなところで脱がれたら、流石の俺でも本能が目覚めちゃうっていうか何ていうか。
だから脱ぐのを止めようとしたら、あっさりとシズちゃんは脱ぐのをやめた。
「ふろ、はいりたい」
「風呂?」
コクリとシズちゃんが頷く。
じゃあ脱衣所で脱げばいいじゃないと言おうとしたら、シズちゃんの手が俺の服の裾を掴んだ。
「いざや、も」
・・・神様ありがとう、今なら俺はあなたを信じるよ。
まさか酔うとシズちゃんが甘えたがりになるなんて。
もう元から皆無だった理性なんか捨て去ることにして、シズちゃんと風呂に入ることにした。
→