深夜3時。
そろそろ眠りについた方がいいかなと思って欠伸をした頃。
インターフォンが鳴った。
・・・悪戯?

「はい」
「いざやー」

・・・この声はシズちゃんだけど・・・シズちゃん?
扉の外からする声に耳を疑った。
何故かって、その声は完全に呂律が回ってない。
況してや、いつもの刺々しい声音じゃない。
でも、この声はいつも聞いてるシズちゃんの声だ。

「シズちゃん?外にいるの?」

とりあえず悪戯ではないことを確認するために、確認をとってみる。
外の声の主はんー、と声を発した後に、

「おれのこと、わからない?」

と少し寂しそうな声音で言った。
つまりは声だけで俺だっていうことがわからないのか、ということなんだろう。
・・・いつもより酷く素直。
今日のシズちゃんは一体どうしてしまったんだろう。
今のシズちゃんの現状を確認するため、ドアを慎重に開ける。

「いざ、や」

そこには真っ赤な顔したシズちゃんが焦点の合わない目で立ちつくしていた。
俺の頭の中には一つの可能性。
・・・え?犯られた?
いやいや、シズちゃんに限ってそんなことはない・・・はず。
だって目が潤んでるし、服乱れてるし、ふらふらしてるし。
・・・・・・・・・。

「シズちゃん、どうしたの」
「んー、」

あのさ、会話になってないよね。
俺疑問形で言ったはずなんだけど、言葉さえも返ってきてないんだけど。
まぁそんなシズちゃんを可愛いとか・・・思ってないからね、断じて。
色々考えて思考回路がショート寸前な俺に、急にシズちゃんが倒れこんできた。
と思ったら、首に腕が回されてもの凄い力で抱きつかれた。

「え?って、痛!」
「いざやぁ、ひぐっ」

俺の肩口に顔を埋めて、俺の名前を連呼しているシズちゃんは、アルコール臭い。
ああ、酔ってるんだ。
俺の中の一つの可能性が消えて、今までになく安心した。
とりあえずシズちゃんを宥めながら、部屋の中へと誘導させた。




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