臨也の言ってることがわからなかった、正確には理解できなかった。
綺麗?完璧?俺には似合わない単語ばかりが出てきて、それが俺だとコイツは言う。
意味が分からない。
俺は皆に避けられてきて化け物だとしか言われたことがないのに。
その皆が避けてきた要因までも、臨也は愛していると言う。
・・・そもそも、愛するって何だ?

「あ、い・・・?」
「そう、愛」
「じゃあ、手前が屋上でしてたのも、愛?」
「・・・見てたんだ」

・・・あ。
つい自分が言ったことを訂正しようと口を開くも、臨也に先を越されてしまう。

「あれは単なる性欲処理と遊び。愛っていうのはああいう行為をするだけじゃないんだよ」
「・・・そうなのか?」
「・・・・・・よくそこまで無知識で生きてこれたね」

その言葉にはイラつく。
無知識じゃねぇよ、一応その行為自体が何をするのかぐらいは知ってんだよ。
・・・細かいことは知らねぇけど。
さっきの言葉と同時に溜め息をついた臨也は、それをすぐにいつもの笑みへと変えた。

「まぁ、これから教えてあげるからいいんだけど」

何を教えるのかはさっぱりわからないが、まぁいいとしよう。
不意に、腰に回ってきた腕によって臨也に抱き締められる。
片手は頭に置かれて、そのまま臨也の肩に乗せられた。

「で、シズちゃんは?」

俺のこと愛してる?と耳元で囁かれて何も言えなくなる。
恥ずかしすぎてそんなこと言えるはずがない。
顔が爆発寸前なぐらい熱い。

「・・・嫌いじゃねぇ」

この言葉以上の表現は俺には無理だったから、精一杯の表現がこれだった。
その言葉を言った瞬間、恥ずかしくて顔を隠すために臨也の首に腕を回して、肩に顔を埋めるようにして隠した。
すると臨也が耳元で笑うのが聞こえた。

「・・・手前なんか死ね」
「えー?それ告白された人に言う言葉?」
「煩い。やっぱり嫌いだ、手前なんか死ね」
「あはは、俺は死なないって言ったよね?シズちゃんが死ぬまでは」

そんな他愛もない物騒な会話をしながら、道路の真ん中で告白した。



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