※生徒×先生



「平和島先生っ!ちょっとこっち来てください!」
「せんせぇ、ここ教えてくださいよぉ」

うるせえ。ウゼェ、どっかいけ。
心の中でそう呟いても絶対に相手には届くことはない。
苛々と歯を食いしばってポケットに手を突っ込み、群がる女子には目もくれずにひたすら廊下を歩く。
いつになったら教室に着くんだ、と半ばキレる寸前で速度を速めた。
周りにいた取り巻きたちも少し後退した頃、廊下の横から伸びてきた腕に引っ張られる。
引き込まれた先は空き教室だった。音を立てずに扉が閉まる。

「シズちゃん」

さっきの奴らより嫌な声がする。こっちの方向に歩くんじゃなかった。
背後からするその声に振りかえることもせず、ただ盛大に舌打ちをした。

「相変わらずだね。女子人気が非常に高いのも、態度が悪いのも」
「うるせえ。そういう手前こそ、そのうるせえ口と軽率な態度を改めろ」

それが教師に対しての言葉遣いかよ、と後ろの声に投げかけると乾いた笑い声が返ってきた。
もうそのやり取りさえ億劫で、扉に手をかけ出ようとするとその腕を掴まれる。

「教師?違うよ、俺とシズちゃんは恋人同士でしょ?」

顔に熱が籠っていくのがわかる。力が強すぎてドアの持ち手がバリ、と音を立ててへしゃげた。
後ろに奴がいるのを確認して、ゆっくりと振り返る。
異質な赤い瞳、歪んだ口許、やっぱりそこにいたのはあいつだった。

「臨也……」
「やっとこっち向いてくれたね」

振り返ればいるとわかっていたものの、こんなに近いとは思っていなかった。
身長差はあるけれど、臨也が背伸びをして、臨也の方へ向けば当然視線は合うわけで。
鼻と鼻がくっつきそうなほどの距離だった。
その距離に後退りしそうになるが、後ろは扉。掴まれた腕が熱い。

「ここは学校だけど俺たちは先生と生徒じゃない。ただの恋人だよね?」

わざわざ確認する辺り、こいつは狡いんだと思う。
だからその悪魔みたいな笑みに、その甘い囁きに諭されて、頷いてしまった。
いつだってこいつは狡い。年齢も身長だって体格だって下回っているのに、頭の回転は遥かに上回っている。
何を言ってもすぐ返され、答えられないように返事をするからこいつは狡いんだ。
そんな気持ちを知ってか知らずか、臨也は後頭部に手を回してきた。
え、いや、それは駄目だろ。空いているとはいってもここは教室だぞ。学校…なのに。

「大丈夫。ここ随分使ってないらしいし、もう授業始まってるし」
「そうか……じゃなくて、お前っ授業出ろ!つーか人の心勝手に読むんじゃねえ!」
「だってシズちゃんわかりやすいんだもん。すぐに表情に出てる」

そんなにわかりやすいのか?
両手で頬を包んでペタペタと触ってみる。そんなに表情には出していないはずだ。
そうしていると目の前から揶揄したような喉の奥から笑う声が聞こえて、思わず眉を顰めた。

「…悪かったな、わかりやすくて」
「ははっ、違うよ。そのぐらい可愛いってこと」

臨也が言った言葉に身体中が火がついたように熱くなった。
男に可愛いとか、似合わねえだろ。況してや、自分みたいな長身でガタイの良い男には。
絶対嘘だ。そう思っていても心に正直な体は段々と熱を帯びて、顔は真っ赤になっているだろう。
馬鹿正直な自分を殴りたくなった。

「じゃあキスだけにしておいてあげるよ」

そう言って後頭部に回った臨也の手に力が籠り、違和感を覚えた時には既に唇が触れていた。




\風木様に捧げます/
風木様には生徒×先生しか捧げていないような気が……(((;゜Д゜))
すみませんでしたあああああ←
しかも駄文です、はいorz
もっと精進したいと思います!!
ちなみにhonesty=正直

それではこんな変態ですがこれからもよろしくお願いします!!

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