2 あの後ジョースター卿と少しお話して、身寄りがないことを話すと私を引き取ってもらえることになった。養子なのかな?…とりあえず居場所を与えられたことは確か。なんという幸運だろう! トリップしてきた、なんて言ったとしても、そもそもトリップとはなんだって話だろうから、『気がついたらここにいた、なぜ倒れていたのか覚えていない』と話しておいた。…あながち嘘ではない。私は戸籍も何も持っていないので、メイドにでもなるのかと思っていたが、卿曰く「君のような幼い子供を働かせる訳にはいかない」とのことである。何もせずにただ養われるのは悪いと言ったが、子供はそんなこと気にしなくていいと言われてしまった。なんて良い人だ。 すぐに使っていない部屋を与えられ、ジョナサンが小さい頃着ていたというお古の服をもらった。これは「女の子用の服がないから、とりあえず」らしい。まあ、メイドの誰かに服を借りると言っても、今の身体じゃあぶかぶかだろうし(もしかしたら元の身体でもぶかぶかかもしれない…特に胸が)。ちゃんとした服は後日買いに行かせてもらえるそうだ。私は別にこのままでも良いのだけれど。 ジョナサンに屋敷の案内をされ、食堂や書斎などの場所を教えてもらった。その途中で彼の年齢を聞いたらなんと15歳とのこと。…え、嘘だろ。見た目的に18歳超えてそうなんだけど。日本基準だからか…? ジョナサンは私が妹(?)になったことを喜んでくれていた。私も嬉しいと言ったら照れながらもにこりと微笑まれた。和む。「敬語はいらないよ、兄妹なんだから」と言われたので、言われたとおり敬語なしで話すことに。 もう一人兄弟がいるという話もされたが、まだ出かけたまま帰っていないらしい。きっとディオだろうな。会いたかったが残念だ。 部屋のベッドに飛び込み、横になる。 それにしても、こんな広い部屋を使ってもいいのだろうか…。私としては四畳半くらいあれば十分なんだけど。…あっそんな狭い部屋がないですかそうですか。さすが貴族。 位置的にはディオ部屋の隣。廊下の奥の方にある。逆側の奥にはジョースター卿の私室、書斎など。 壁掛け時計を見ると、まだ午後の3時を過ぎたくらいだった。子供の体のせいか体力が有り余っている。屋敷の探検でもしようかな。でもあんまりうろついたらメイドさんとかの邪魔になりそう…。うーん。 |