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きみの寝顔に物思う6時

なにかうすらぼんやりとした、内容の無い夢を見ていた気がする。夢といえるものかは分からないし、内容もとんと覚えてはいないのだが。
それから、さらけた肌に冷えた空気を感じて、ふ…と意識が浮上する。
ぼやける視界の中、いつもの見慣れた天井を視認する。何度かまばたきをして視界がはっきりしたあたりで、枕元に置いてある時計で時刻を確認する。
時間になれば自然と目が覚めるから、本当なら俺に目覚まし時計は必要ない。だが、同じ布団で眠るなまえは時間になってもなかなか起きないから、なまえのために置いているようなものだ。
体を起こして掛け布団をめくると、早朝の肌寒さからか、なまえが小さく身じろぎをした。それから胎児のように丸まるので、また布団をかけなおしてやる。
薄く口を開けて締まりのない顔をするなまえの頬をつついたり伸ばしたりしながら、今日も平和であることを願う。

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テーマ「人外ファンタジー」
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