24時間の過ごし方 | ナノ
20時のテレビから受けた衝撃

 
 金曜のゴールデンタイムに流れるバラエティ番組。今日のは、若手ヒーローを呼んでぶっちゃけた話をしちゃいましょうみたいな内容だった。
 画面越しのデクが彼女いるんですか、の質問に、顔を赤らめて視線をうろうろさせた。言葉にせずともその答えがyesであることは明らかである。
 画面の中の観客の悲鳴と私の悲鳴が上がったのは同時だった。
「うそー!デクくん彼女いたのー!?」
「えっ、急にどうしたの」
「やだぁー……私のデクくん……」
「なまえちゃんの隣に僕いるよね?」
 まあ、私がデクくんこと出久くんの彼女だ。番組の内容も出久くんから事前に聞かされていたし、内緒にしておこうね、ということで話は済んだんだけど…出久くんが顔に出やすい人だということを忘れていた。
 はっ……!でも出久くんに彼女がいるということをみんなが知ったら、これで堂々とデートもできるのでは……!?刺されたら怖いな……
 うんうんと唸っていたら、テレビの画面からショートくんの声で「まあ、いる」と聞こえてきた。えっうそ待って、なにも聞いてなかったんだけど……
「出久くんなにも聞いてなかったんだけどなに?ショートくんになにがいるの?」
「さっきの続き、彼女だよ」
「ぎゃあああーーーー!!うそぉーーー!!」
「なに、うるさ……」
「私のショートくん……」
「なまえちゃんさっきそれ僕に言ってなかった?」
「でもでもチャージズマは彼女いないから!大丈夫!元気出す〜〜!」
 そして聞こえてきたチャージズマの「俺も最近また彼女できて〜」の言葉に私はそっと涙を流した。
 

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