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ロー船長


なまえを後ろから抱きすくめ俺の脚の間に座らせる。初めは狭い苦しいと文句を言っていたなまえだが、今では良い場所を見つけたのか大人しくなって本を読んでいる。柔らかな髪に唇を寄せ鼻を埋め、女特有の柔らかい太腿を撫でる。なんですかぁ、とやや鬱陶しそうな間延びした声には答えず、腹に回した腕に力を込めた。
「お前の眼球を刳り抜いてホルマリン漬けにして両足をもいで監禁してェ」
「えっ」
本から顔を上げ俺に振り返るなまえの額に唇を落とすと、なまえは不服そうに眉を顰めてみせた。
「お前を俺の部屋に監禁したーい。」
「…………」
口を薄く開けて唖然とし目を見開いたなまえ。
「何言ってんだこいつ」とでも言いたげなその目で誰も見なければいい。俺以外の奴の元へ走り寄るその足を切断したい。腕は、抱き締めてほしいから残しておいてやる。本当なら俺以外の奴の名を口にするその舌も切り取ってやりたいが、それだと俺の名を呼んでもらえないから。
首元に顔をうずめ、深呼吸してなまえの匂いを吸い込む。なまえを構築する全てが愛おしい。



「シャチ、船長ってばとうとう頭おかしくなっちゃったのかな。」
「(なまえの身に危険が迫っている…だと…!?)いや、あの人元からああだろ。」
「なんで私あんなのに好かれてんだろ……いや好きだけど。好きだけど!」



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