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爆豪

名前も聞かない底辺校の生徒らしい。制服はあるけどほとんどみんな私服で登校していて、それから夜の高校らしい。
かがんだらぱんつ見えるんじゃねえの、ってくらいスカートの裾を短くして、ブレザーを着崩して、爆豪みたいにノータイで。髪はあとから茶色に染めたのか、プリンになってる。

「だから、テメェ、煙草やめろっつってんだろが!!」

爆豪の怒号を無視してぷかぁと煙を吐いた。俺が知ってる煙草よりか細い。

「おいテメ、クソブス聞いてんのかコラ!!」
「ご近所迷惑だよ、何考えてんのばくごー」
「テメェが何考えてんだ!!!」

目をぐわっと釣り上げて詰め寄る爆豪を無視して、公園内に設置された灰皿に、火のついた煙草を捨てた。
襟を掴もうとしたのか、殴ろうとしたのか。わなわなと肩を震わせて手を上げた爆豪を羽交い締めにする。爆豪が、離せ、とかなんとかギャンギャン騒ぎながら小出しに数度爆破する。

「ばくごー、友達できたんだ」
「あ!? そんなんじゃねぇよ!!」
「えっ…ばくごー友達いないの……」
「いるわ普通に!!なめてんのか!!!」
「そっか」

へらへら笑って薄い箱からもう一本取り出して咥えた。ライターの火を煙草の先に近付ける。

「だッッから煙草やめろっつってんだよ!!!」
「爆豪、爆豪、叫ぶなって!」

羽交い締めにしたままなだめるように言うと、爆豪はウルセェと怒鳴った。
女子生徒はぷかぷか煙を吐きながら、ふうとため息を吐く。

「ばくごーが煩いから私、もう帰る」
「おい待てよブス、煙草置いてけ!」
「ええ、やだよ」

またね、と俺に笑いかけて、手を振って公園を出ていった。


未成年の飲酒喫煙はだめ(乂'ω')ですよ。お酒と煙草は20歳から。
タイトル「爆豪の友達」は文末に(らしい)がつきます。切島は切島で彼女を「爆豪の友達らしいけどずいぶん素行悪いな」って思ってるし、彼女もまた彼女で切島のことを「爆豪の友達らしいけどほんとに爆豪のこと友達と思ってんのかよ」と思ってる。



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