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爆豪

知能が低い



「どうも、こんにちは、私です。画面の向こうのみなさんも画面に向かってこんにちはしてください。あはは、変な人ですね。ちなみに動画を撮ってくれているのは毎度おなじみじろちゃんです、ありがとう」
「のっけから喧嘩を売るスタイル嫌いじゃないよ」
「ありがとじろちゃん。さて私は今から大好きな爆豪きゅんの飯を駄目にして一万円くらい貢いできます」
「自分から死地に突っ込んでいくのやめな」
「命ある限り私はこの行為をやめない」

遠くから眺めている切島「何やってんだあいつら」
瀬呂「さあ」




大好きな爆豪きゅんがかばんから弁当を取り出した。さあ、今こそ行くのだみょうじなまえ、爆豪きゅんにぶつかったふりして弁当をだめにしろ!うんんんんん爆豪ママごめんなさい許してね、床に落ちたおべんと私が食べるからマジ許して。
このあと爆豪きゅんに何をされるのか想像しつつまっすぐ爆豪きゅんの席に向かっていき、がつりと机にぶつかった。もちろんわざとだし腰骨がいてぇぜ。
「アッ」
おおーーーっとここで私の悪い癖、というよりも個性≠ニいうほうが正しいような気がしてくるコミュ障が発動してしまったぁあーー!
蓋を開ける前の弁当箱は綺麗に床に落ちた。壊れてはいない、壊れてはいないけれども爆豪きゅんから発せられる怒りのオーラが死ぬほどこええ。
「アッスッスイマシェッアッ」




遠くから眺めつつ弁当を食べる切島「ばかなことしてる」
瀬呂「なんであいつ雄英に入れたんだ?」
切島「さあ」




誰に言われたわけでもなく流れるように土下座をして許しを乞うと、背中をおもくそ踏みつけられた上に踵で背骨のあたりをぐりぐりされた。ほげぇやめてほしいマジで骨は痛い。
ほげほげ言いながら財布から五千円札を取り出すと、ぱっと財布ごと持っていかれた。かと思えば目の前にぽとりと財布を落とされる。そろそろと財布に手を伸ばし、中を確認すると、見事に万札が抜き取られていた。
三枚くらいあったんですけど。いやあなたに貢ぐための三人の諭吉だったんだけどこうも当然のように持っていかれると……惚れ直しちゃうっていうか……ほげぇぐりぐりやめてほしい。


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