ss | ナノ

かっちゃん

つきあってない


「ひとののろけ聞かされんのって結構心に来ない?」
「べつに」
こちらを見ずに上の空で返事をするかっちゃんはさっきからDSでカチカチカチカチ。ろくに話も聞いてないと思う。
「あっそうだよね、かっちゃんはそもそも人の話聞かないもんね」
「あ?聞いとるわ舐めんな」
カチカチカチカチ。さっきより幾分か声がはっきりしているからちゃんと話を聞いているのだろうけれど、こっちを見てくれない。私はかっちゃんのカワイー顔が見たいんだけどな。
「昨日切島にスキって言われたんだけど」
「あ?」
やっとこっちを見たかっちゃんの顔はそれはそれはおっかない顔で。いくら幼馴染と言えどこの顔を向けられると心臓がヒュンッてする。と、DSを放り出してベッドに放られてた私のスマホを取った。
「えっなにしてんのかっちゃん、嘘だからねかっちゃん」
「うるせーな、あいつがテメェみたいなガキくせぇの好きなわけねぇだろ分かってんだよ」
「えっちょっと待ってなんでパスコード分かんの待って待って待って」
「うるせぇ」
そのままトークアプリを開いて切島の名前を見つけると、断りもなく電話をかけた。私のスマホ、私のアカウントで。
「えっウワーーーーやめてよーー!!嘘だってば!!切島に好きなんて言われてないってば!」
「テメェちょっと黙れ。…ああ俺だ。クソ髪よ、テメェなまえに好きって言っ」
「てないよーーー!!!やめてよーーー!!!私が好きなのはかっちゃんダケダヨーーーー!!」
スマホを奪いとろうとかっちゃんに飛びつくとかっちゃんが私の腰に腕を回した。ひょえーーーやめてほしい。
『……俺は何を聞かされてんの?のろけ?』
「なんでもないよ切島ごめんね!!」



当て馬きりしまくん
ごめんね



← →

back
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -