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夏目くん

「夏目、見てご覧。」
目玉模様が描かれた布で目元を覆った妖が、空を見上げていた。それを真似て、僕も空を見上げる。ぽっかりと穴が空いたように真ん丸な月は、にゃんこ先生を思わせる。
「夏目、月が綺麗だ。」
「そうだな。」
ふわりと風が吹いて、妖の目元の布を靡かせる。布の下の目は、優しげに細められていた。


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