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夏目

「 人の子だ 」

夏目はその声に、思わず顔を上げた。夏目の視線の先には、着物を着た子供が、木の枝の上に立っていた。
 目元を覆うように布の面をつけていることから妖であることが伺えた。

「人の子だ。」

 子供はそう言ったかと思えば、煙のように、ふっ と消えてしまった。
 


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