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ペンギン

「海列車、乗ってみたかったな。」
弱々しい声でなまえは言う。
「乗れるよ、一緒に乗ろうぜ。」
「シャボンディの遊園地も、行きたかった。」
「ああ、行こう。観覧車でもジェットコースターでも、好きなの乗せてやる。」
痩せて骨と皮だけになった手を握る。触れただけで折れてしまいそうなほどに、細い。
「ラフテル、行きたかった、船長が海賊王になるところ、見たかった、」
「見れるよ。病気が治りさえすれば。」



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