きみ
燃えるような赤い髪に新緑のような緑の目。
それは選ばれた者にのみ許された特別なもの。
それを、なんだってあんな女が持っているのか。
理解ができない。
彼の手が、あの赤い髪に触れる。あの緑の目に、彼の姿が映り込む。
あの女の位置は、私にこそ相応しいのに。
どうしてその女なの、ねえ、どうして。
「その髪もその目も、私にこそ相応しい。だから、ねえ、ちょうだい?」
静かにしてね、あまり騒がないで。
出来る限り綺麗な状態で殺したいのよ。
あんたの死体を、彼にプレゼントしたいから。
ローだと言い張る。
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