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ペンギン

「愛してた」
窓の外を眺めながらぽつり、呟く。
「そうか」短く答える。
「でも私を見てくれないから私、彼の恋人の死体をプレゼントしたの」「綺麗に殺せたわ」「なのにやっぱり私を見てくれなかった」
まくし立てるようになまえは言う。
「ああ」
「…なんで」
そう、目を覆って彼女は泣き出した。もし俺が彼女を真似て船長の死体を彼女にプレゼントしたなら、彼女は俺を見てくれるだろうか。
そんな馬鹿馬鹿しい考えに自嘲し、彼女を慰めるための言葉を考える。


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