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戻ってこい、ディスプレイ!切実に願う!

画面に頬擦りやちゅうは当たり前、毎朝画面に向かっておはようと行ってきますを言うのだって欠かさない。毎晩ただいまとおやすみだって言う。向こうから返事が帰ってこずともそんなの関係無い。
私はそれほどにトラファルガーが好きだ。以前起こしに来た母親にそのシーンを見られてどん引きされたことがあるがそんなの関係無いくらいにトラファルガーが好きだ。世界の真ん中でキミに愛を叫びたいくらいに好きだ。しかしその作品を私は知らない。
瞬き一つ、呼吸すらも愛おしい。だけどトラファルガーは私の元に会いに来てくれないこのつらさ、分かる? そうか、分かるか、私は嬉しいよ。

「へへーへへへートラさーん」

スマホの画面に映るトラファルガーに向かって唇を突き出す。当然トラファルガーは動かない。画像だからね。Dが一つ足りないんだ、私のDも一つ無くならないかな。一つでいいよ、二つ無くなっちゃ駄目だよ!
あとディスプレイ邪魔だから退いて。

「あっ!」

間違えて電源ボタンを押してしまった。私の気持ち悪いにやけ顔が画面に映る。
くっ……! 急に現実を突きつけてくるそのスタイル嫌いじゃないぜ……!
電源ボタンを押そうとすると、勝手に電源が入った。思わず変な声が出た。

「あっ、えっ、ぅぇえっ!?」

画面に! トラファルガーが出た! 瞬きしてる! 目が合った! 眉間に皺を寄せている!明らかに気持ち悪がられてるー!!

「なんでぇ!?」
『……以前から感じていた視線の原因はお前か』
「しゃしゃしゃシャベッタアアアア!!」

ぬっ、と画面から手が伸びてきた。刺青だらけの手だからこれはトラファルガーの手か。えっ嘘ヤダ何これやばい超やばい! 今だけディスプレイ戻ってきて! ああっやっぱり戻ってこないで! えっちょっ待ってなんで私画面に引きずり込まれてるのイヤアアアア!!

あっそういえば前に失くしたスマホどこに行ったんだろ。


なまえが失くしたスマホをトラファルガーが拾い、そのスマホとなまえの持つ新スマホがリンクしたとかそういう。



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