Hold me tight

 みーちゃん……!!

「みいいいいい!!!生きてたんだな!!!よかった!!!!」
「ひぎゃあ!!」

 初めは夢かと思った。

「よかった!お前が車に轢かれたなんて嘘だよな!!」

 扉を開いた先の、丸い後ろ姿。
 オレが間違えるはずない、上擦った高いソプラノ。少し生意気な茶色の瞳、そしてなにより柔らかい白灰の毛並み!

「なに!?なんだ!?何が起きてるんだ!?」
「ああ会いたかったぜ!おれの白猫!!」
「会話が!出来ねえ!」

 駆け寄って力一杯抱きしめると、小さな体から体温が伝わる。それにオレは、泣きたくなるくらい安心した。

「……ホルマジオ」
「リーダー!あんたがみーちゃんを見つけてくれたのか!?」

 リーダーは何故か眉をハの字にして、おれの肩を叩いた。

「いや、その……」
「っつーかそれ猫じゃねーし」

 顔を上げれば、ギアッチョの冷たい目。
 馬鹿を言うな。こんなに可愛くて白い生き物、おれのみーちゃん以外……。

「にゃあ」
「ほら見ろ!」
「のるな!!」

 オレと可愛らしく鳴いたみーは、力一杯頭を殴られた。ギアッチョの野郎、スタンドまで使いやがった!
 氷での殴打は、目の前チカチカするような衝撃だ。瞬きを何度かして、腕の中の白猫の無事を確認すれば、

「誰だお前」
「いたた……あ?人間」
「みーちゃんは」
「まだ言ってんのかてめえ!」 

 小さな子供。
 白い頬に顔をすり寄せれば、あの白猫と同じように、柔らかな手のひらで拒んできた。

「……可愛いな。リゾットが拾ってきたのか?」
「ようやく落ち着いたか」

 リゾットはそう言って息を付いた。彼にココアを差し出された白猫、もとい子供は、「だからどうして、猫と同じ扱いなんだよ」と不満そうにしている。
 盛大に落ち込んでいるオレの頭を、メローネが撫でた。
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