かき氷


「ただいまぁ」

―シャコシャコシャコ

家の主、倉敷 和人(クラシキ カズト)が家の扉を開くと中から何かを削るような音が聞こえた

「あ!和人おかえり」

最愛の弟が微笑みをくれる、それだけで仕事疲れが吹っ切れてしまいそうだ

「―あれ?大和、それ…」
「そ!かき氷つくってんだ☆」

先程の音の主は、夏の風物詩、かき氷を作るかき氷機だった

「和人も食べる?」
「うん。貰うよ。今日はとっても暑かったから」
「和人はいつもスーツだからなっ」

上機嫌の大和は和人の為に腕を奮う
和人はネクタイを緩めながら椅子に腰かける

「和人はきっちり着るから暑いんだよ」
「だってスーツだしさ。」
「もっと砕けた着方したほうがいいよ。」
「うーん」
「パーカーとかジャージとかの先生いるじゃん。ホラ、理科の川島先生」

大和は仕上げのイチゴシロップをかけ始めた

「はいできた!」
「ありがとう」

大和が作ったかき氷を一口方張る

と、懐かしい味が口一杯に広がり、不意に笑顔になる
そんな笑顔を大和は見つめながら嬉しそうに笑う

「そうだ今日、川島先生がさぁ!お菓子くれたんだあ☆しかもオレの好きなポッキーでさぁ」
「…ふーん」
「最近川島先生の授業超楽しくて♪」

川島の名前が出てくる度、和人は眉間にシワを寄せた

「大和は俺の授業楽しくないの?」
「えっ」

溢れんばかりの笑顔を放っていた大和は、ふられた瞬間笑顔を消した

「え、えーと……授業は好きだけど、……古文は嫌いっつーか、…んと、よくわからない、って感じで、…」
「…ふーん」
「っ、えと……〜っ………!!和人!ミルク!ミルクつける!?」

無理に話を逸らす大和に和人は少し嫉妬した
自分の授業より他の先生の授業の方が好きなんて、許せない。

「うん。欲しいなミルク」
「じゃあ今取るよ!」

和人の後ろにある冷蔵庫へと向かう大和を不意に抱き止めた

「えっ、なにっ!!?」
「ミルク、欲しいっていったでしょ?」
「だから今………っつ!!?」

立っている大和の腰に手を回すともう片方の手で、ズボンのチャックを下ろし始めた
腰を引こうとする大和だが和人の手が腰に回っているのでなにもできない

「和人っ…なにやってんだよっ」
「ミルク、今すぐほしいの」
「ミルクって違っ」

ズボンの中から現れた弟のムスコに軽いキスを降らした後、喉の奥まで飲み込んだ

「ぅっあっ、冷たっ」

かき氷を食べていた所為か、和人の口内は少し冷たかった

「あっ、んっ」

顔を上下に揺らしながら、吸い付く口に大和の下半身は徐々に姿を変えて行く

「クスッ…もう勃ってきた」
「うっ、馬鹿和人っ…もう放」
「まだダメ。ミルクもらってないもの」

グチュグチュと艶かしい音が部屋に響く
後ろの孔にも二本も指が入っていて、中を掻き回される
大和は和人の髪に指を絡ませ、迫り来る快感にただ耐えていた

「や、あっんっ」

和人の舌が亀頭を刺激した
その瞬間、大和の目の前がチカチカと光った

「んっんんあ――っっ」
「んっ」

和人の口内に流れ込んだ大和の精液を簡単に飲み干す

「ミルク、ごちそうさま♪」
「〜っ!////」

羞恥に顔を赤らめる大和を抱き上げて、後ろの孔に自らの欲望を擦りあてた

「あっ…!」
「ねえ、大和、挿れていぃ?」
「んぁっ……っ」

ぐぐぐっ…と和人の欲望が大和の体内へと侵食していく

「ぁぁあぁっ、だめっ、氷っ溶けちゃ…ッ」
「大丈夫だよ、大和。ちゃんと食べるから」
「ふぅっ…ッ!」

全て納まったが、和人は腰を全く振らず、優雅に残りのかき氷を食べていた

「っ、」

体内にある燃えるように熱い和人の分身
大和自身も体が熱くなり、快感を求めるかのように、孔がヒクヒクと開閉し始めた
それでもかき氷を食べるのを止めない和人に痺れを切らした大和は、ゆっくりと腰を振り始めた

「…ん……ッ…かず…と」
「なぁに?大和」
「…願いっ……動いてっ」
「でもかき氷食べてるし」

意地悪な和人に大和は段々と煽られる

「んっ、カズっ……カズゥ…」
「っ」

大和の痴体に和人は息を飲み始めた

「足りないっ……動いて」

焦らせば焦らすほど、普段では言わないような恥ずかしい台詞を淡々と吐く大和

「ヤラシイね……ヤマ」
「あっ、あぁっ」

漸く、軽くだが動き始めた和人に、大和は快感を覚えて行く

「あっあっ」
「もっと激しくしていぃ?」
「う、あっあ」

しがみつく大和が可愛くて、和人は理性を手放した



「ああぁっあっ!はぁ…いっ、いぃ!…あっ!気持ちいぃ!」
「はぁっ…ヤマ…大和っ」
「イクッ…イッちゃ…っ」
「俺も。 一緒にイこ?」

大和の奥を強く突いた
大和は白濁を飛ばし その締め付けで和人も中に射精した

「大和………」
「ぁ……カズ…」

座ったまま俯せに机に倒れ込む大和
そんな大和を後ろから見つめる和人

「大和……よかった?」
「ん………った」

和人は淡い笑みを浮かべると大和を起き上げ、向かい合うように座らせる

ぐったりとした大和に和人は軽いキスを何度も落とした

「ん、ん」
「っ、はぁっ」

軽いものが段々と深くなる
すると大和自身が顔を上げ始めた

「ねえ…もぅ一回…」
「いいよ、大和」

そうして大和の中にいた和人自身は元気を取り戻すのだった

end








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