めーる


休み時間、職員室へと帰った綾瀬 学(アヤセ マナブ)はズボンのポケットに入っていた携帯電話を取り出した

――生徒に見せると、メアドだのなんだの教えて!と迫られるのでないと言っているが実のところは持っていた

学の携帯が一瞬ピカリと光った
メールか、はたまた着信か。
学はどちらかを思いながら携帯を開いた
メールが一件入っていた

―昼休み、お話ししたいことがあるので、保健室でお待ちしています。

風上――

それは、最近仲良くなった保健医の風上 朔(カザカミ サク)からだった

――昼休みか…ちょうど、午後の授業はないし久々に風上先生に逢いに行くか

学は携帯を閉じニッコリと微笑むと、三時間目への授業へと向かった

* * *

「風上せんせー?綾瀬ですー」

扉を開いて中を覗くが、朔の姿は無かった

「あれー?いねぇのかなあ?」
部屋の様子を伺っていると
「何してるんです、綾瀬先生?」
後ろから声がして思わずビクンと体を震わしてしまった

「あ!風上先生!何処か行ってらっしゃってたんですか?」

驚いてしまった事が恥ずかしくて綾瀬は無理に話し出す
だが、朔はゆっくりと優しく答えた

「えぇ。少し用事を頼まれまして。綾瀬先生ここじゃあなんですから中に入ってください」
「あ、はい」


─カチャン……


ことん…と目の前にまだ湯気のたつ、湯飲みが出された
学は「ありがとうございます」と一礼すると、それに口付けた
朔が淹れた御茶はとても美味しくて、学は自然と笑みが溢れた
と、学は思い出したかの様に朔を見つめる

「─で、お話と言うのは…?」
「え?えぇ。ある生徒から相談されまして。」
「…はあ…?なんと?」
「“綾瀬先生が好きなんです。恋人とかいないんですか”と」
「////なななななっ」
「冗談です。正式には“綾瀬先生のメアドを知りたい、でも教えてくれない!てか持ってないらしい!どうしたらいぃ!?”です」

学はドキマギ鳴り響く胸を抑える様に手を当てた

「生徒には“携帯は持っていない”と言ってるらしいですね」
「え、えぇ。色々と聞かれるのは、面倒ですから…」
「………」

色々と聞かれるのは面倒

いや、実際はそうじゃない
実は前の学校で、生徒にメアドを教えたところ、ネットでバラ蒔かれた事があったのだ

「綾瀬先生、午後のご予定は?」
「はぃ、授業は入っていません」
「では、そろそろ始めますか」
「──え?」

華奢な体に見えるが、朔は軽々と学を抱き上げてしまった
学の方がガッチリとしていて強そうなのに、どうやったらこんな体でこんな力が出せるのだろうか

学は窓側のベッドへと優しく寝かされていた

「え、ちょっ」
起き上がろうとした学を遮るように朔が跨がる

「か、風上せんせ…っ」
「私には、教えてくれたんですね」

かの男の指先が学の唇に触れる

「私は、貴方の特別ですか?」
「っ………は、はぃ…///」
「学……好きですよ」
「ひぁっ……!」

愛を口ずさみながら下半身の塊に触れると学はビクンと跳ねた
伸びてきた手が朔の手の動きを遮る

「そ、それ以上は…っ」
「何故です?もう、一週間も触っていない。……我慢できません」
「っ////」
「学………」
「ッ………さ、朔っ」




「はぁ…ッ…ハァ…」
「学…ッ」
「…ッ……、さ…く」

朔の背中にしがみつく

「や、ッ…も」
「…学ッ……少し待っててください」

朔は一旦学から離れると着ていた白衣、シャツを脱ぎ始める
上の服を脱ぎ終わると、今度は学の服を全て脱がしていく

「…さく……」

綺麗に整った筋肉をウットリと見つめる学

「全く、貴方と言う人は……私ではなく体に惚れているのですか?」
「違っ……ちゃ、ちゃんと朔も好きです…///」
「ふふっ、可愛いですよ。学」

学の引き締まった蕾へと指を進ませる

「ッ!だめ、だめです!それ以上は!」
「前はちゃんと入ったでしょう? 体育教師だからって、筋肉ばかり鍛えず、此方も鍛えましょう」
「そ、んなっ…!」
「ああ、貴方は私が“初めての”でしたね、それでは仕方がありません」
「ぁ、ッ、…さ、朔は……!こんな、ことを、よく?」
「えぇ。昔はよく。  でも──こんな可愛い相手は“初めて”です」

出し入れされる指にそろそろ、意識が失いかけてきた学は、朔の背中に爪を立てる

「っ、学……ッ可愛いですよ、……もう、挿れていいですか?」
「はぁはぁ…朔ッ、」
「…愛してます。」
「あ、あぁぁ…!」




―保健室のドアには“留守”という看板がぶら下がっていた

end







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