愛されるより愛したい


イケないことをしているのはわかっているはずなのに…

どうしてやめられないのだろう……


「ッ、!…ちょ!恭吾(キョウゴ)っやめろ!」
「凉助(リョウスケ)さん…」
「鈴奈(スズナ)が……ッ帰ってくる…!」
「大丈夫ですよ、アイツまだ部活ですから」
「でもッ「凉助さん…オレもう我慢できません」

春日野 凉助(34)
息子の友人と付き合ってます

いやいやいや、わかってんだ わかってんだよ  いけないことぐらい  でもさ、いくら断っても、コイツが

「凉助さん…好きです」
「あっ…ぁあ…っ」

何度も何度も迫ってくるから
段々阻めなくなってきたんだよっ

「ただいま、父さん」
「あ、あぁ。鈴奈おかえり」
「先風呂入るよ」
「ああ。」

ああ、腰がいたい
恭吾のヤツ……手加減しなかったなっ!

『凉助さん愛してます。』
『ずっと俺だけのものでいてください。』

こっぱずかしいこといいやがってえ!!!!

そもそも恭吾と付き合い始めたのは
鈴奈が初めて家に恭吾を連れてきたことから始まる
初めてみたときは『カッコイイ子だな』としか思わなくて、鈴奈が連れてくるたびによくオレの事を聞く子だと不思議に思ったのを覚えている
段々と、鈴奈がいないときでも家に出入りするようになり


『凉助さん!好きです!』
『はぁ!!?』


いきなり告白され、襲われた
何度男だと言っても退くことを知らない恭吾に流され、段々とこの交際を続けてしまっていた。

いい加減、やめなきゃいけないよな………

「……はぁ」
「父さんが溜め息なんて珍しいね」
「!すすす鈴奈!お前風呂は!?」
「なにいってんの?もう上がったんだけど」
「そそそそうか…ッ」

なに動揺してんだオレ!
落ち着け!

「父さん、今日恭吾きたの?」
「え!!?きょ、恭吾くん!?」
「……どうなの」
「っ、……来てない」

ああ苦しい
息子に嘘をつくのは…

「嘘ついてるでしょ?」
「な!?」

迫ってきた鈴奈から逃げるように腰を退くとキッチンに触れてしまった
鈴奈はオレに覆いかかる様に近付いてきた

「鈴っ「風呂場にさ、これがあったんだ」
「…ッ!」

鈴奈がオレに見せつけてきたのは恭吾がいつもしていたネックレスだった

「昨日はこれなかったよね、ねえ、今日来てないならなんであるの?どうして風呂場にあるの?」

そんなの来てエッチして、シャワー浴びて帰りました!なんて言えねえだろ

「ねえ父さん……」
「鈴奈っ…」

我が子ながら顔が綺麗だ
ああ、鈴奈の細い指がオレの頬に…

「教えて、父さん。どうしてこれがあるの?」
「そ、……それはッ」

プルルル…プルルル

「!」

途端、家の電話が鳴り響き
オレは鈴奈を押しどけると電話へと向かった

「も、もしもし」
『…あ………凉助さん?』
「!き、恭吾…くん」
『?……あぁ、近くに鈴奈がいるんですね。……あの、俺ネックレス忘れたっぽいんですけど、ありますか』
「ああ、あったよ。明日鈴奈に……っ鈴奈!!?」

電話に集中していると後ろから鈴奈に抱き締められた
思わず声が裏返る

「電話…恭吾なんだろ?」
「鈴奈っ…離しなさい!」
『…凉助さん…?』
「き、恭吾くん!明日必ず鈴奈に持たせッ…あッ…!?」
『!!?』

いきなり自身を直で触られ、ビクンと腰が揺れる

やばいっ、恭吾に聞かれた!?
というより鈴奈なにしてんだよ!!?

「ふあっ…ああっ」
「へえ…父さん敏感なんだ」

シュッシュッと扱かれ甘ったるい声が電話を通し恭吾に聞こえる

「やめ、…すずなぁっ!」
「…父さんは俺のものだよ」

鈴奈は受話器に向かってそう呟くと電話を切った
そして、次の瞬間、俺は鈴奈に押し倒されていた

「やめ、やめなさいっ、鈴奈!」
「どうして?恭吾とはシてるんでしょ?」
「!? していない…ッ!」
「父さんは嘘つきだねぇ。」

ズボンを脱がし、俺をうつ伏せにさせると鈴奈は俺の孔へと舌を這わした

「んぁ…!!」
「…ん、……ッちゅく…」
「や、やだっ!」

やめろ!まだ中にっ

「……父さん…これ恭吾の精液?」


恭吾の放った白濁が 緩んだ孔から溢れ出る
羞恥に顔を真っ赤にして顔を隠した

「いっぱい出してもらったんだね……そんなによかった?」
「す、ずなぁっ…!やめなさ…」

恥ずかしい
実の息子にこんな姿を晒して

「こんなの……全部出してやる」
「うぁっ…!指、やめっ!あっ」
「…すっかり穢れて……消毒しないと……」
「鈴奈…ぁ!」

恭吾っ、お前のが、出されてるよ

……だから言ったんだ、中出しはやめろって


『お願い、一度だけ』



もうやめてくれ………




……1日に二度以上したのは初めてだ…
恭吾は俺の体を気遣ってか一度しか行為をしない
…最愛の息子に、三度も犯されて悲しくない訳じゃない
もう死にたいくらいだ。

――今日は1日、ベッドから起き上がれないな……

ピーンポーン

家の呼び鈴が鳴った
だが腰が痛くて動けやしない
そのまま居留守をしていたら、突然玄関の扉が開いた

――えっ!?なんで!!?

足音は段々と、俺がいる寝室へと近付いてくる

泥棒だろうか?だとしたら、殺されてしまうかもしれない
いやだ!やっぱり死ぬのは恐い!

ガチャ…

「凉助さん…?」
「っ」

き、ょうご……?
振り返ると、入口に恭吾が立っていて
慌てて俺が立ち上がろうとすると、それを止めた

「いいですよ、寝たままで。腰痛いでしょ」
「恭吾!違う、違うぞ!」
「なにがです?」

いつの間にか恭吾は俺の傍らにいた
恭吾の長い指が頬に、首にと流れて行く

「…ッ」
「凉助さん…ごめんなさい。オレが悪いんですよね」
「え」
「貴方を独り占めしたくて……ごめんなさい」

何故謝られるんだ?
謝らなければいけないのはこっちなのに
昨日の電話気持ち悪かっただろ、とか

「…本当は、昨日すぐにここに来るつもりでした。あんな電話を聞いて、普通でいるのが有り得ないくらいでしたから。でもそれをしなかったのは、“もしかしたら二人は前から出来ていたのではないか”という疑問が浮かんだからです。  凉助さんはいつもオレとするとき拒みます。“鈴奈が”と言って だから、いつも鈴奈とシているんじゃないかと。だったらオレは凉助さんを傷付けているだけじゃないか。と」

恭吾…?

「……ごめんなさい、………オレの我が儘で貴方を犯し続けて」
「!」

違う、違う、違う。
お前が謝るなんて間違ってる
謝るな!

「違う恭吾…!俺は、いつもお前に触られるとき恐かった。いつお前が俺の事を飽きるか。飽きて捨てられた時には、俺はきっと、お前なしでは生きられなくなっている。だから…鈴奈を盾にお前の気持ちを拒んでいた」
「凉助さん」
「…お前が好きで、好きな自分が恐いんだ!……俺は男で、お前はまだ若い  社会に出てきっといい人を見つけるはずだ。……だから、何度もこの関係を断ち切ろうとした…。だがそれが出来なかったのは、迫ってくるお前に嬉しさを持ってしまったからだ。いつお前がくるのか楽しみになってしまった  こんな親父に、好意を抱く恭吾に段々と心を奪われてしまった」
「……」
「お前は間違ってるッ!男の俺よりもきっといい人はたくさんいる!だから」

はっと気付く。
恭吾が険しい顔をしていた

「だからなんです?」
「あっ」

手首をシーツに縫い付けられる

「“いい人がみつかる?”“離れるのが恐い?”…全部オレの台詞ですよ。子供のオレなんかいつ捨てられても当たり前だ。貴方は大人だから、いつ再婚するかもわからない。だから、貴方を手に入れたかった。」
「っ、……俺は、お前が好きなんだぞ」
「オレもです」

恭吾の表情が柔らかくなった

「俺よりもいい人は沢山いるんだぞ…っ」
「いません。オレの中のいい人は凉助さんだけです」
「…っ、オヤジだぞ」
「綺麗ですよ、凉助さん」
「っ、恭吾…!」

思わず恭吾に抱きついた
涙が後から後から溢れて出てくる

「凉助さん、子供だからオレの事捨てないでくださいね」
「俺の台詞だっ…」
「凉助さん、可愛いです。好きですよ」
「んッ」

優しい声色に包まれて
暖かい唇に溶かされて
ああ、恭吾、大好きだ



「とりあえず、今日鈴奈を殴っときました☆」
「!!恭吾ッ!」

ボカッ☆



二人の恋はいつまでも、永遠に―――



fin.











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