ホモと呼ばれて……


「やぁホモ★」
「あの!!…僕、ホモじゃありませんから!!」
「だってお前先生と出来てんだろ?」
「違います!!」

高校に入って二ヶ月…
僕はこの男子校で有名になってしまった。

それは一ヶ月前
田嶋(タジマ)という先生に呼び出され僕は理科室に向かった
その先生は優しくて、笑顔が素敵な人だった
僕が先生の顔を見ながら話を聞いていると不意にキスされた
「え?」と思っていると舌が入ってきて慌てて先生の舌を噛んだ
そのあとは逃げたんだけど
次の日学校にいくと先生にキスされたときの写真が掲示板に貼られていた。
何人かの生徒が先生や僕に聞いてきた
僕は勿論違うといったが
先生は

「えぇ、付き合ってますよ」

といった
違うと言ったのに誰も信じてくれず、それから僕は皆に“ホモ”と言われるようになった


誰も信じてくれない
けど否定するしかない

「ホモさぁ〜」
「だから違いますって!!」
「先生のことマジで好きなの?」
「え…?」

突然の質問に馬鹿みたいな声をあげてしまった

「即答しないってコトは好きなの?」
「何故そうなるんですか!!! 違います!!嫌いですよ!!!」
「……ふぅん。そ、じゃぁまたねホモ★」
「あ、錐風(キリカゼ)くん……」

行ってしまった
このあと田嶋先生に呼ばれている
やだな……いきたくない…

ガラッ

「田…嶋先生……」
「やぁ、宮沢(ミヤザワ)こっちにおいで」
「…はぃ…」

先生に近づく

「先生……僕達付き合ってないんですけどどうしてあんなこと言うんですか!!?」
「写真が撮られたんだ。付き合った方が身のためだろ?」
「どこがですか!!?僕は先生に無理矢理キスされただけで先生とは付き合う気はありません!!!」
「クスッ…もういいじゃないか。付き合っても」
「誤解が解けるまで皆に言い続けます!!!」
「誰が信じると思う?生徒の言うことなんて。 俺の言うことの方が聞くだろ?」
「……っ…」

先生は僕を机に追い込み僕にのしかかるようにしてきた

逃げれないっ…!!

僕は瞳をギュッと瞑った
先生の息が肌にかかる

ガラッ!!!

「先生聞いちゃいましたよ〜」

「「!!!??」」
「錐風!!?」

ドアが開きそこには壁にもたれウォークマンをフルフルと振る錐風くんが

「ちゃんと録音もしておきましたから」

ニッコリ微笑む錐風くん
先生は焦ったのか下唇を噛み締め僕から離れた

「どうするつもりだ?」
「変態な先生には辞めてもらいます♪」
「え?出来るんですか?」
「ん〜?宮沢知らないの?俺の父さんここの理事長だって」
「え!!??」

知りませんでした……。

「っ……!!」
「宮沢おいで」
「あ、はい」

僕は錐風くんに走り寄った

「先生。逃げても無駄ですからね」

錐風くんはそうゆうと僕の手を握り絞めながら理科室から離れていく

「くっそーっ!!!!!」

先生の声が聞こえて振り返ると先生がすごい顔で拳をあげながらこっちに向かってきた

「あ…!!錐風くん…!!」
「ったく〜しつこいな〜」

錐風くんはそう呟くと僕の手を退いて僕を前に出すと錐風くんは回し蹴りをした
先生は突然のことで受け身が取れずもろに食らってしまう

「ぐぅっ…!!!」
「それでは先生サヨウナラ〜」


「錐風くんのお父さんがここの理事長だなんて知りませんでした〜。」
「あのね〜、宮沢。この学校の7割は知ってることだよ?」
「じゃぁ僕はその3割に入るんですね」
「……あーいったらこーいうタイプだねぇ君は」
「そうですか? そうかもしれませんね」

ニッコリ微笑むと錐風くんもニッコリと笑った

「そーだ宮沢、俺のコト楼(ロウ)でいーから」
「じゃぁ僕も哉夢(カナム)でいいですよ」
「そ、改めてよろしく哉夢」
「はい。楼くん」


その数日後 田嶋先生はこの学校から消えた
楼くんのお父さんのおかげだろぅか?

とにかく誤解が解けた僕は生徒から“ホモ”と呼ばれることはなくなった

それからというもの僕は楼くんと仲良くなりいつも一緒になるようになった。


Fin-






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