※やっぱり、変態がいます。
※キャラ崩壊。
※無駄に長い。



○月●日 (土)。

今日は、奇跡だ。
土曜日なのに、みょうじさんに会えた。
俺は部活で学校に行った訳だけど、みょうじさんは、教室に置き忘れた課題を取りに来たらしい。
おっちょこちょいな所もまた、可愛い。
とにかく、休日であるにもかかわらずみょうじさんに会えたという事に、俺は狂喜した。
更には彼女から、部活を見学してみたいだなんて言ってくれたものだから、俺の天命は今日までのようだ。
昇天する。
みょうじさんが見てくれていると思うと、かなり張り切ってしまったが、同時に緊張していつもの調子が出なかった。
部活としては、良いのか悪いのか。
いや、悪いのだろう。
彼女にも失態を見られて、だいぶ落ち込んだ。
しかし、それでも格好良かったと言ってくれる彼女は、確実に女神や天女の類だろう。
これで、違うとか言った奴、はっ倒す。
なお且つ、落ち込む俺をなぐさめてくれる彼女。
その優しさには、少し視界がぼやけた。
結局、最後まで見ていてくれたみょうじさん。
こんなチャンスは、めったにないので、一緒に帰った。
途中まででいいと遠慮する彼女をなんとか言いくるめて、家まで送った。
別れ際に、『ありがとう。またね』と微笑むみょうじさんが可愛すぎて、その後どうやって家まで帰ってきたのか覚えていない。
ただ、驚くほどぼろぼろだったので、母親が軽く悲鳴を上げていた。
友香里は、大爆笑。
けれど、そんな事はどうでもいい。
今の俺は、今日一日のみょうじさんを思い出すだけで、なんでも許せる気がする。

明日は日曜日で、俺も部活が無くなったので学校には行かない。
勿論、みょうじさんも。
明日一日、みょうじさんの顔が見れないとなると、やる気が出ないが、今日の事を思い出して頑張ろう。
月曜日が待ち遠しい。



○月☆日 (日)。

やってしまった。



○月◎日 (月)。

昨日は取り乱しすぎて、一言しか書けなかった。
これから、どうすればいいのか分からない。

昨日、みょうじさんに告白した。
そんなつもりは、まったく無かった。
けれど、告白した。
買い物に行ったら彼女に会い、完全に舞い上がっていた。
土曜に会えたという、一種奇跡や運命のようなものを感じた翌日、再び同じ事が起こるなんて。
有頂天にならない方がおかしい。

せっかくだからと、一緒に買い物をしていたところまでは良かった。
休憩しようと喫茶店に入ったのも良かった。
パフェを食べる彼女が、とんでもなく可愛かったから。
問題は、その後だ。
その後の記憶があいまいとは、どういうことだ。
ぼんやりと覚えているのは、俺は彼女に告白し、それを聞いた彼女は走り去ってしまったという事だけ。
家に着く頃、姉に頼まれていた買い物は、袋の中でぐちゃぐちゃになっていて、姉は軽く悲鳴を上げていた。
友香里は、大爆笑。
けれど、そんな事はどうでもよかった。
彼女に逃げられてしまった事の方が、衝撃だった。

そんな事があっても、今日は月曜だった訳で。
学校に行けば、真っ先に彼女に会ったが、全力で逃げられた。
今日一日、そんな感じだったので、もう俺の人生は終わった。
もう、明日なんて来なければいいのに。



○月★日 (火)。

今日あった出来事が、決して夢ではないことを誰か証明してほしい。
一応、ユウジにハリセンで叩いてもらい、金ちゃんに頭突きもしてもらったが、痛かった。
銀の波動球を正面から受けた時は、走馬灯が見えた。
波動球パネェ。
なんか俺だけ痛いのはしゃくだったので、謙也をボッコボコにしておいた。
結果、夢でも俺の妄想でもないという事は分かった。
けれど、信じられない。

今日、みょうじさんに告白の返事をもらった。
そう。あれは、昼休みの事だ。
昨日、一昨日の事があったので、学校なんて行きたくなかったが、仮病は許さないと姉に追い出されてしまった。
うん。姉貴、仮病使った事あるよな。
そんな訳で沈んだ気持ちのまま午前の授業を乗り切ったところ、昼休みに入るなり、みょうじさんに呼ばれた。
話があると言われ、人気の無い場所まで案内される。
みょうじさんの後ろを歩いている間、俺は色んな事を考えた。
みょうじさんは、昨日一日避け続けた相手をなぜ呼び出すのだろう。
みょうじさんは、避けたくなるほど俺の事を嫌いになってしまったのだろうか。
みょうじさんは、みょうじさんは、
みょうじさんは、なぜこんな所に俺を呼び出すのだろう。
その時の俺は、みょうじさんの事ばかりだった。
もしかしたらみょうじさんはこの後、告白の返事をくれるんじゃないかとか、ひょっとしてそれが俺にとっていいものなんじゃないかとか。
でも反対に、はっきりと断るためだったらとか、面と向かって嫌いと言われたらだとかも考えたわけで。
期待と不安が入り交じったというのは、こういうことなのかと思った。
ぴたりと止まって振り返ったみょうじさんは、何度か口をぱくぱくさせて、小さな声で言ってくれた。
『私も、白石くんが好きです』と。
とても小さく、たどたどしく紡がれた言葉だったけれど、この俺が彼女のどんな声も聞き逃すはずがなく、脳よりも先に言葉の意味を理解した俺の体は、体中の水分が沸騰したように熱くなった。
その後の事はよく覚えていないが、昼休みの終わりを告げるチャイムが聞こえるまで、顔を真っ赤にした彼女を抱きしめていた。

その後、午後の授業から帰宅まで、やっぱり記憶は所々あいまいだ。
家に着いてもぼーっとしていたものだから、猫のしっぽを思いきり踏んでしまい、猫は断末魔のような悲鳴を上げていた。
友香里は、大爆笑。
けれど、そんな事はどうでもいい。
今なら死ねる。死因:エクスタ死で逝ける。確実に。

明日、目が覚めたら夢でしたなんてオチは御免こうむるので、早起きしてみょうじさんの家まで迎えに行こうと思う。
彼女の家については、過去に一度調査済みなので問題ない。
ああ。早く明日になればいいと思うのに、明日なんて来なければいいとも思う。
夢でもなんでもいいから、ずっと彼女が隣にいてくれますように!



聖書による想い人観察日記A(抜粋)



結論:俺は幸せや!