※只管、変態がいます。
※なんかもう、怖いくらいに変態です。
※ヤマだってオチだって、イミだって無い。



○月×日 (月)。

今日も彼女は、可愛かった。
二限の数学の授業中、一生懸命机に落書きをしていた彼女。
可愛いにも程がある。
その所為で突然当てられ、ちょっと慌てる所なんて、可愛すぎて悶え死ぬかと思った。
昼休みは、女友達にその事をからかわれていた。
見るからに柔らかそうな彼女の頬を、指で突く友達。
うらやましい。
俺も女に生まれていたら、あんな事が許されたのだろうか。
否、俺が女であったら、彼女の頬を突いた俺の指を、彼女は舐めてはくれないだろう。
勿論、今の俺にもそんな事はしてくれないだろうが、いつかはしてくれる。
そういう関係になったら。
しかし今は、彼女の可愛さにやられて、身動きできない。
どうやら、指を舐めてもらうのは、もう少し先らしい。

そうそう。
彼女に心を奪われてから、毎日書き続けているこのノートも、今日で四冊目になった。
書き始めてから、数ヶ月。
五十ページあるノートは、いずれも彼女への愛でびっしりだ。
勿論、これからも。

とにかく、ありがとう神様。
みょうじさんと同じクラスにしてくれて。



○月△日 (火)。

みょうじさんが、可愛い。
いや、そんな事は、とっくの昔に分かっていた事だけど。
周知の事実であった事だけど。
一日経ってみても、やっぱり彼女は可愛い。
というか、一目惚れしたあの時から、ずっと可愛い。
その可愛さは、どんどん増していく。
今日の彼女は、ポニーテールだった。
ヤバかった。
俺の席から、左斜め前が彼女の席。
授業中、俺の席からは、彼女の綺麗なうなじが見えていた。
普段も見える事はあるが、ポニーテールの時の見え方は、エロさが半端無い。
本当は、あの首筋に舌を這わせてみたいが、それはまだ早い。
せめて、触らせてくれないだろうか。

そういえば。
彼女が使っていたシャープペンは、俺が今使っている物と同じだった。
この偶然に少しときめいたので、このシャープペンは後生大事に使おうと思う。
もしもの時のために、明日同じ物をもう一つ新調しようか。
予備として。

それにしても、ありがとう神様。
みょうじさんの斜め後ろの席にしてくれて。



○月□日 (水)。

うざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうz(自主規制)
ケンヤにこのノートを読まれました。
そのあとの、あわれむような目がうざい。
なので、シバいておきました。

少し落ち着いた所で、このノートの本来の目的を果たそう。
みょうじさんは、今日も可愛かった。
スピード狂(屍)曰く、『そんなに好きなら告白しろ』。
そんな事は、ゾンビに言われずともやる。
黙れ、ヒヨコ。
俺は、完璧に告白しなければならないのだ。
その為にも、もう少し彼女を観察し続ける必要がある。
充分に彼女の可愛さを理解し、彼女の可愛さと彼女に対する俺の愛を、明確に言葉にする為に。
ただ、彼女に悪い虫が付かないか心配だ。
注意しておかなければ。

ところで、俺は気がついた。
みょうじさんは、天使だ。

今日はちょっとなえたから、この辺で。



○月▼日 (木)。

今日は、委員会活動の日。
つまり、いつもより彼女を観察できる日だった。
そして、いつもよりしゃべった。
可愛かった。
みょうじさんと同じ委員会になった時は、その場で叫びそうになるのを必死で耐えていた記憶がある。
やっぱり可愛いみょうじさん。
いつも可愛いみょうじさん。
無理矢理俺の物にしようなんて、考えはしないけど、もっと近くで彼女を見ていたい。
あぁ、明日が金曜日だと思うと憂うつだ。
何故、土日は学校が休みなのだろう。
休みなんて、なければいいのに。

更に、俺は気がついた。
みょうじさんは、聖母だ。



○月◆日 (金)。

毎週書いている気がするが、金曜日は憂うつだ。
明日は、可愛いみょうじさんに会えない。
俺は部活で学校に行くけど、みょうじさんは来ない。
一日だって我慢できないのに、二日間も会えないなんて、死刑宣告もいいところだ。
みょうじさんがいないのに、何故学校に行かなければならないんだ。
しかし、俺は行く。
何故なら、昨日の委員会の時に、みょうじさんに応援されたから。
ヤバい。
思い出しただけで、たぎる。
どうしよう。
胸の高鳴りが抑えられない。
このままでは、アドレナリンどばどばで眠れない。
アセチルコリン仕事しろ。

ここで、俺は気がついた。
みょうじさんは、女神だ。



聖書による想い人観察日記@(抜粋)



結論 → みょうじさんは可愛い。